イスラエルとパレスチナの中東和平交渉が暗礁に乗り上げるなか、アメリカの特使が仕切り直しを図るため現地入りし、双方の首脳の間を行き来する間接交渉で事態の打開を模索しています。
中東和平交渉は、パレスチナ側がイスラエルによる占領地での入植活動の凍結を協議再開の条件としていましたが、アメリカがイスラエルを説得できず、暗礁に乗り上げています。こうしたなか、アメリカのミッチェル中東担当特使が交渉の仕切り直しを図るため、13日、エルサレム入りし、まず、イスラエルのネタニヤフ首相と会談しました。会談では、将来のパレスチナ国家の国境線について交渉を進めたい意向を伝えたとみられますが、ネタニヤフ首相は、この日に行った講演で、治安問題なども同時に話し合われるべきだと主張し、国境線を優先的に話し合うことに難色を示しています。ミッチェル特使は14日にはパレスチナ暫定自治政府のアッバス議長と会談する予定ですが、パレスチナ側は13日の会議で、入植活動の全面凍結がなければ、和平交渉には応じないという方針を確認しています。アメリカは、イスラエルとパレスチナの首脳どうしの直接交渉が困難になったことから、ミッチェル特使が双方の間を行き来する間接交渉で事態の打開を模索することにしていますが、仲介は難航が予想されます。