大地震から1年がたったカリブ海のハイチでは、去年秋から始まったコレラの感染が、一時期より勢いは衰えつつあるものの、依然、拡大が続き、犠牲者は3800人近くに上っています。
去年10月、ハイチ北部で始まったコレラの感染は、これまでに全土の10の県すべてに拡大し、ハイチ保健省によりますと、18万人以上が病院で手当てを受け、3790人が死亡しています。このうち、当初、コレラの発生が初めて報告された北部アルティボニット県サンマルクにあるコレラ治療センターでは、今も1日に40人ほどの患者が訪れ、治療を受けています。患者の中には、一度回復しながら、清潔でない水を口にして再び感染し、病院に運び込まれる人もいるということです。この治療センターで医療支援を行う国際的なNGO「国境なき医師団」のメンバー、京寛美智子さん(34)は「都市部から離れたところからも患者がどんどんやって来ている。安全な水の確保が大切だということが分かっていても市民の手に届かないのが問題だ」と指摘しています。国連などは、コレラの感染が収拾するかどうかは、まだ予断を許さないとして、引き続き、警戒を続け、住民に対してコレラに関する知識をつけてもらうなど、予防対策にも力を入れるとしています。