インフルエンザの患者が九州や関東などを中心に急増し、子どもだけでなく、20代や30代の成人層にも感染が広まってきていることが、国立感染症研究所の調査で分かりました。国立感染症研究所の安井良則主任研究官は「流行のピークは今月下旬から来月とみられるが、ワクチンの接種はまだ間に合うので、すべての年齢層で対策を徹底してほしい」と話しています。
国立感染症研究所によりますと、9日までの1週間に全国の5000近い医療機関から報告されたインフルエンザの患者は、2万4841人と九州や関東などを中心に前の週の2倍以上に急増しました。1つの医療機関当たりの患者の数は5.06人で、▽沖縄県が25.9人、▽福岡県が11.44人、▽佐賀県が11.41人などと、今シーズン初めて、すべての都道府県で全国的な流行の目安とされる「1」を超えました。特に、20代と30代の成人層で患者が急激に増えているということです。患者から検出されるウイルスは、先月以降は新型が3分の2近くを占めていて、東京や大阪、それに福岡といった都市部で患者が急増している一因と考えられています。国立感染症研究所の安井良則主任研究官は「昨シーズン、新型インフルエンザへの感染が少なかった年齢層で患者が増えており、さらに中高年層にまで感染が広まると、重症化する人が増えるおそれがある。流行のピークは今月下旬から来月とみられるが、ワクチンの接種はまだ間に合うので、すべての年齢層で対策を徹底してほしい」と話しています。