アルゼンチンで、2億3000万年前の地層から発見された恐竜の化石が、ティラノサウルスなど肉食恐竜の直接の祖先にあたる新種であることが分かり、進化の過程を知るうえで重要な発見として注目されます。
この化石は、アルゼンチンのサンフアン州で恐竜が現れた初期の2億3000万年前の地層から見つかり、去年、東京で開かれた恐竜展でも展示され、未知の恐竜として注目されました。その後、アルゼンチンやアメリカの研究チームが調べたところ、体の大きさは、1メートル20センチと小さいものの、▽首の骨にくぼみがあることや、▽手の指が長いなどの特徴があることがわかりました。これらの特徴は、「ティラノサウルス」など後の時代の大型の肉食恐竜と似ており、研究チームでは、発見された化石は、肉食恐竜の直接の祖先にあたると結論づけました。今回の新種が見つかった地層からは、ほかにも草食や雑食の恐竜の祖先とみられる化石が相次いで見つかっており、恐竜が現れた最初の時期から、多様な種類に分かれていたこともわかってきました。国立科学博物館の真鍋真研究主幹は「ほかの原始的な恐竜に比べ進化しており、アルゼンチンのこの時期には恐竜の多様性が高かったことが今回の研究で分かった」と話しています。この研究成果は14日に発行されるアメリカの科学雑誌サイエンスに発表されます。