23年以上にわたる独裁的な政権が崩壊した北アフリカのチュニジアでは、首都中心部で銃撃戦がおきるなど治安が急激に悪化しています。空港ではダイヤの乱れが続いていて、現地の日本大使館によりますと、いまだ200人近い日本人観光客が出国できないでいるということです。
チュニジアでは14日、ベンアリ大統領が市民の抗議行動を受けて国外に逃亡し、23年以上にわたる独裁的な政権が崩壊しました。首都チュニスでは、16日、中心部にある野党の本部や中央銀行周辺で何者かが警察に発砲して銃撃戦になったほか、車からの銃の発砲が市内各地で起きるなど治安が急激に悪化しています。これを受けてチュニスの国際空港には、一刻も早く出国しようと外国人観光客らが詰めかけていますが、空港が一時閉鎖されていた影響で、ヨーロッパ便を中心に欠航や遅れが相次いでいます。アラビア語の習得で留学していたという日本人の女子大学生は「デモが起きた当初は大丈夫かなと思いましたが、情勢が急変し、だんだん精神的にも耐えられなくなってきたので、急きょ出国を決めました。飛行機がかなり遅れているので出国できるのは翌日になるかもしれません」と話していました。チュニスの日本大使館によりますと、国際線のダイヤの乱れの影響で、16日夜の時点でいまだに日本人観光客197人が出国できず、ホテルなどでの滞在を余儀なくされているということです。