厳しい経済状況を背景に奨学金を滞納している人が過去最多の33万人に上っていることなどを受けて、奨学金を貸し出している「日本学生支援機構」は、返還期間を倍に延ばして月々の返還額を減らすことができる新たな制度を今月から始めることになりました。
奨学金を貸し出している「日本学生支援機構」によりますと、厳しい経済状況を背景に、去年3月の時点で奨学金の返還が滞っている人は33万6000人と過去最多となっていて、未返還額は797億円に上っているということです。こうした事態を受けて、機構では月々の返還の負担を軽くするための新たな制度を今月から始めることになりました。新しい制度は給与所得が300万円以下の人などが対象で、申請が認められると、返還する総額は変わりませんが、返済期間を2倍に延ばす一方で、月々の返還額を半分にできます。日本学生支援機構奨学総務課の宗清一郎課長は「今後も返還しやすい制度作りを検討するとともに、返還できるのに返していない人に対しては法的措置を取るなど、厳正に対処したい」と話しています。