交渉が停滞しているジュネーブ軍縮会議で核軍縮についての交渉を促すため、日本政府が呼びかけた初めての専門家会合がスイスで開かれ、プルトニウムなどの核物質の生産を条約でどこまで規制するのか、各国が議論を行いました。
この会合は、日本のほか、核保有国のアメリカやイギリスなど、軍縮会議に参加する45か国から核兵器の技術に詳しい専門家らが出席し、16日までの3日間、ジュネーブで開かれました。ジュネーブ軍縮会議では、核兵器を保有する国と保有しない国の立場の隔たりなどから、核軍縮交渉が停滞し、とりわけ、兵器に使われる核物質の生産を禁止する「カットァ≌条約」の交渉を始めるめどが全く立たない状況が続いています。日本政府の関係者によりますと、今回の会合では、条約で禁止する核物質の範囲を巡って、高濃縮ウランの濃縮率や、プルトニウムの含有量など、各国の関係者が踏み込んで意見を交わしたということですが、核保有国のパキスタンが会合を欠席するなど、依然、課題も残されています。軍縮会議の日本政府代表の須田明夫大使は「日本政府は唯一の被爆国として、核軍縮のためになくてはならないカットァ≌条約の成立に向けてあらゆる努力を行う」と話しており、日本政府としては、今後も専門家会合を呼びかけて、停滞する核軍縮の交渉が早期に始まるよう働きかけを強めることにしています。