アメリカ政府は、リビアのカダフィ政権への圧力を強めるため単独の制裁としては過去最大額となる日本円にして2兆4000億円を超える政権幹部の個人資産を凍結したことを明らかにするとともに、リビア周辺にアメリカ軍を展開し、軍事的な圧力も強める姿勢を示しています。
アメリカ政府は先週、リビアに対して最高指導者のカダフィ大佐をはじめとした政権の幹部がアメリカ国内に所有する個人資産を凍結する単独の制裁措置を発動しました。財務省のコーエン次官代行は2月28日、この制裁で少なくとも300億ドル日本円にしておよそ2兆4500億円に上る資産を凍結したことを明らかにしました。アメリカの単独の制裁による資産凍結としては過去最高の規模になるということです。また、アメリカ国防総省は「海軍と空軍の部隊の再配置を行っている」としてリビア周辺にアメリカ軍を展開させていることを明らかにし、リビアに対し、軍事的な圧力も強める姿勢も示しています。こうしたなか、ァ⌒マ大統領は2月28日、ホワイトハウスで国連のパン?ギムン事務総長と会談し、「人道支援を強化するとともに民主的な政権に移行するため政治的な支援を行っていくことも重要だ」と述べました。これはリビアで不足している医薬品や食糧などの人道支援を強化するとともに政治的な側面からも支援を行う考えを示したもので、反政府勢力などによる民主的な政府の樹立を促すねらいがあるものとみられます。