国が世界自然遺産への登録を目指している小笠原諸島だけに生息する野鳥が外来種のネズミを捕獲するために設置されたわなにかかって死んでいたことが分かり、環境省は、わなを撤去するとともに、ネズミの捕獲を続けるかどうか検討しています。
死んでいるのが見つかったのは、東京の小笠原諸島の母島や、その周辺の島だけに生息する固有種の野鳥で絶滅のおそれがあるとされるハハジマメグロです。環境省は、世界自然遺産への登録を目指している小笠原の貴重な生態系を守るため、もともと島にはいなかった外来種のネズミを捕獲しようと、ピーナツバターを置いた台の上に小動物が乗ると金具が作動するわなを先月1日から母島の78か所に設置していました。ところがその後、ハハジマメグロ5羽がわなにかかって死んでいるのが見つかったということです。わなは、野鳥が気付かないように落ち葉や枝で覆ってあったということですが、ハハジマメグロは葉っぱの下のピーナツバターを見つけて食べようとしたとみられます。環境省は「ハハジマメグロの生態を十分把握できていなかった。希少な野鳥が誤って捕獲されたことは大変残念だ」としており、わなをすべて撤去するとともに、ネズミの捕獲を続けるかどうか専門家と協議することにしています。