去年、スイスのアルプス山脈で観光列車が脱線し、日本人の乗客が死亡した事故で、運転ミスが原因だったとする事故調査委員会の報告書を受けて、7日、運転士に対し、執行猶予の付いた罰金1万5000スイスフラン(日本円で130万円余り)の命令が確定しました。
この事故は、去年7月、スイス南部のアルプス山脈を走る観光列車「氷河特急」が脱線し、兵庫県尼崎市の国本安子さん(64)が死亡し、大勢の日本人を含む42人がけがをしたものです。スイス政府の事故調査委員会は、ことし1月、運転士がカーブを曲がり終えないうちに制限速度を超えて加速した運転ミスが原因だったとする最終的な報告書を発表しました。これを受けて、地元の検察は、運転士に対し、業務上過失致死の罪で、執行猶予2年のついた、罰金1万5000スイスフラン(日本円で130万円余り)の命令を出し、7日、命令が確定しました。運転士は、執行猶予期間中にほかの罪を犯さなければ、この罰金の支払いを免れるということです。この事故では、観光列車を運行していた鉄道会社に対しては刑事責任が問われておらず、スイスの捜査当局による事故を巡る一連の捜査は終了することになりました。