リビアで反政府勢力と政権側の激しい攻防が続くなか、NATO=北大西洋条約機構は、AWACS=空中警戒管制機を24時間態勢で投入し、政権側による空爆などの監視に乗り出したことを明らかにしました。
リビアでは、反政府勢力が、最高指導者カダフィ大佐の出身地である中部のシルトの攻略を目指しているのに対し、政権側は、シルト近郊のラス?ラヌーフで空爆を行ったほか、首都トリポリ近郊のザーウィヤでも街を包囲して攻撃を加えるなど、双方の間で激しい戦闘が続いており、多数の死者が出ています。混乱が長期化の様相を見せるなか、アメリカのNATO大使は7日、政権側による空爆の状況などを把握するため、リビア沖の地中海上空などにAWACS=空中警戒管制機を投入し、24時間態勢で監視飛行を始めたことを明らかにしました。一方、中東の衛星テレビ局アルジャジーラは、反政府勢力筋の話として、カダフィ大佐が、自分と家族の身の安全や一連の武力弾圧などを巡る訴追の免除などを条件に退陣する用意があると反政府勢力に提案してきたと伝えました。この報道について、政権側は一切反応しておらず、真偽は分かっていませんが、反政府勢力は、あくまでも無条件での退陣を求めるとして、この提案を拒否する姿勢を示しました。