去年、国内で新たに報告されたエイズ患者は469人と、過去最も多くなったことが分かり、厚生労働省は、感染が拡大しているとして検査や予防の徹底を呼びかけています。
厚生労働省のエイズ動向委員会によりますと、去年1年間にエイズを発症して国内で新たに報告された患者は469人と、過去最も多くなりました。また、新たに報告されたエイズウイルスの感染者と合わせると1544人で、これまでで2番目に多くなりました。感染経路では同性間の性的接触が最も多く、患者と感染者合わせて974人と全体の63%を占め、次いで異性間の性的接触が322人で20%でした。年齢別に見ますと、▽30代が550人で最も多く、次いで、▽20代が383人、▽40代が318人などとなっています。エイズ動向委員会の委員長で東京大学医科学研究所の岩本愛吉教授は「検査が必要なのに、検査に行かないままエイズを発症した人が増えているのではないか」と分析しています。厚生労働省は、感染が拡大しているとして、来月1日から1週間、インターネットの動画配信サイトなどで啓発活動を行って、検査や予防の徹底を呼びかけることにしています。