リビアの首都トリポリでは、反政府勢力側が首都の完全制圧を目指し部隊の増強を進めているのに対し、カダフィ政権側は23日未明、カダフィ大佐はいまだトリポリ市内にいて健在だとして、徹底抗戦の構えを崩していません。
リビアでは、反政府勢力側が、カダフィ大佐の最後の拠点である首都トリポリを22日までにほぼ制圧したと発表し、独裁体制を敷いてきたカダフィ大佐に対しては戦争犯罪などの罪で裁判にかけるとして、行方を追っています。これに対しカダフィ政権側は、反政府勢力がこれまで拘束したと発表していた大佐の次男のセイフ?イスラム氏が、23日、トリポリ南部で支持者の前に姿を現し「すべてのうわさを否定する。リビアの人民は立ち上がり、反乱軍を打ち砕くだろう」と述べ、みずからの拘束を否定しました。そのうえで、カダフィ大佐の所在については「カダフィ大佐は健在で、トリポリ市内にいる」として、徹底抗戦の姿勢を強調しました。政権側は、カダフィ大佐の住居を兼ねた巨大な軍事施設に部隊を集結させ、激しい抵抗を続けているもようです。このため反政府勢力側はトリポリに展開する部隊の増強を進めており、首都トリポリの完全制圧とカダフィ大佐の拘束を目指し、攻勢を強めることにしています。
枝野官房長官は、記者会見で「カダフィ体制の崩壊に向けて、かなり進展していると認識している。リビア国民の幅広い参加を得たうえで、できるだけこれ以上の流血なく、新しい政治プロセスが開始され、憲法制定や民主的な選挙が平和裏に実施されることを期待する。わが国としては、国際社会と協力しつつ、必要な支援を行っていきたい」と述べました。