NATO=北大西洋条約機構は、リビアの反政府勢力が首都を制圧しカダフィ政権が事実上崩壊したあとも、カダフィ大佐を支持する勢力が中部のシルトで抵抗を続けるとして、今後も空爆を継続する方針を強調しました。
NATOの報道官は、30日、本部のあるブリュッセルと作戦の司令部が置かれているイタリアのナポリを結んで記者会見し、リビアの首都トリポリが「反政府勢力によって事実上解放された」と述べ、首都を反政府勢力が制圧したことをNATOとして初めて確認しました。そのうえで「軍事作戦の焦点はリビア中部の都市シルトにかけての沿岸部だ」と述べ、カダフィ大佐の出身地で軍事施設などがあるシルトが大佐支持派の最後の抵抗の場となっているとして、今後も空爆を継続する方針を強調しました。一方で、NATOの報道官は、国民評議会がカダフィ支持派に降伏を呼びかける交渉を行っていることについて、「前向きな兆候だ」として交渉の行方を注視する考えを示しました。NATOは、カダフィ政権による反政府勢力への攻撃が強まったことし3月末に軍事作戦の指揮権を掌握して以降、ほぼ5か月に渡ってリビアで空爆などの軍事作戦を続けています。