イランのサレヒ外相は、リビアでカダフィ政権を事実上の崩壊に追い込んだ国民評議会の代表と電話会談を行い、祝意を伝えるとともに、リビアとの関係の改善を進めていく考えを伝えました。
イランのサレヒ外相は、30日、カダフィ政権が事実上崩壊してから初めて、リビアの国民評議会のアブドルジャリル議長と電話会談を行いました。イラン外務省によりますと、この中でサレヒ外相は、リビアの市民運動がカダフィ政権を倒したことに祝意を述べたうえで、近くアブドルジャリル議長をイランに招いて新政権と緊密な関係を築きたいという意向を伝えたということです。イランはカダフィ政権下のリビアと冷ややかな関係が続いてきましたが、今後、国民評議会との間で関係の改善を目指しているものとみられます。イランは、これまで国交がなかったエジプトとも、ムバラク政権が退陣に追い込まれたあと、暫定政権との間で国交の樹立を模索していると言われており、アラブ諸国で政変が相次ぐなか、各国との関係の見直しを進めています。その一方で、各国に広がる市民の民主化運動が国内にも広がり、政権が脅かされたり、影響力が弱まったりする事態は強く警戒しており、国内で厳しい情報統制を続けています。