シリアのアサド政権が反政府デモへの弾圧を続けるなか、これまでシリアを擁護する立場をとってきたロシアのメドベージェフ大統領は「現状が打開できないのなら、指導部は退陣すべきだ」と述べ、アサド政権に対し事態の収拾を急ぐよう警告しました。
メドベージェフ大統領は7日、モスクワで開かれた安全保障会議の会合で、緊張が続くシリア情勢に言及しました。この中で、メドベージェフ大統領は「状況が打開できないのなら、シリアの指導部は退陣すべきだ」と述べ、アサド政権に対し事態の収拾を急ぐよう警告しました。ロシアはシリアとの関係が深く、これまで欧米諸国が厳しい対応をとるべきだと主張するなかでも、シリアを擁護する立場をとり、今月4日に国連安全保障理事会でアサド政権を非難する決議の採決が行われた際にも、拒否権を行使しました。それだけに、今回、メドベージェフ大統領がこれまでになく踏み込んだ表現でアサド政権に警告を発した背景には、「ロシアは残虐なアサド政権を支持している」という欧米からの非難をかわすとともに、アサド政権に対してもこれ以上、流血の事態が続けば、擁護するのが難しくなるというメッセージを伝えるねらいがあったものとみられます。