特定の色が区別しにくい色覚障害がある人にも見分けやすい特殊なLEDを使った信号機を九州産業大学が開発し、実用化に向けた全国で初めての社会実験が福岡市内の交差点で行われることになりました。
LED=発光ダイオードを利用した現在の車両用の信号機は10年前から、全国で本格的な導入が始まりましたが、色覚障害がある人の一部から、特に夜間、赤信号と黄色の信号の区別がしにくいという指摘が出ていました。このため、福岡市にある九州産業大学の落合太郎教授が9年前から色覚障害がある人にも見分けやすい信号機の開発を進めてきました。開発された信号機は、色合いと光り方を調整した特殊なLEDを組み込み、赤と黄色を区別しにくい人が見ると赤信号の光の中に×印が浮かび上がり見分けやすくなっています。色覚障害がない人には、これまでの見え方とほとんど変わらないということです。九州産業大学は警察などと協力してこの信号機を使った全国で初めての社会実験を来週から福岡市内の交差点で行い、色覚障害がある人やドライバーなどの意見を聞いて実用化を目指すことにしています。開発に当たった落合教授は、「色覚障害がある人もない人も安心して運転出来るよう新しい信号機の効果を確かめ全国に広げていきたい」と話しています。