音にきく 高師(たかし)の浜のあだ波は かけじや袖(そで)の ぬれもこそすれ
祐子内親王家紀伊
【歌意】 うわさに聞く高師の浜のあだ波は袖にはかけまい、袖が濡れてしまうから。それと同じに?浮気で名高いあなたのことも心にかけまい、後で袖が涙で濡れるから。
【作者】 (ゆうしないしんのうけのきい) 11世紀後半の人。後朱雀天皇の第一皇女、裕子内親王に仕える。
【説明】 「たかし」は「高師」と「高し」の掛詞。「かけ」は「波をかけ」と「思いをかけ」の掛詞。「高師の浜」は和泉国、現在の大阪府堺市浜寺~高石市の一帯。プレイボーイの誘いをみごとに切り返した歌。