「外来語」というのは、外国から入って来た言葉のことであるが、普通は中国から入って来た言葉は「外来語」とは言わず、主としてヨーロッパ・アメリカから輸入された言葉のことを言う。
「外来語」の歴史を見ると、まず16世紀にポルトガル人が来て、多くのポルトガル語が日本語になった。例えば、タバコ、テンプラ、パンなどが、その当時入って来た言葉である。17世紀になり、日本が鎖国をして、オランダ人しか、こられなくなると、オランダ語が日本語に入って来た。アルコール、コーヒー、ガス、ビールなどは今でもよく使われている。
明治になり、西洋の思想や物が輸入されると、外来語は一つの国ばかりではなく、いろいろな国から入って来るようになった。もちろん英語からの外来語が中心だったが、芸術の言葉はフランス語から、医学・哲学の言葉はドイツ語から、音楽はイタリア語からというように、様々な国から輸入された。
今度の大戦の後アメリカの軍隊が日本に来ると、英語からの外来語が急激に増え、今ではテレビや雑誌を見ても、町を歩いても、外来語を見ないことはない。日本人はよく外来語を使うが、日本語のなかで使われる外来語は、元の発音と違うし時々意味が違うことがあるので、日本語を勉強している外国人には大変難しい。「ホワイトさんはスマートな人でダンディなフェミニストです」と言われて、すぐ意味がわかる外国人は、もうかなりハイレベルの日本語をマスターした人と言えよう。外国人には、外来語がたくさん入った日本語ほど難しい日本語はない、といってもいいほどである。