日语童话故事 日语笑话 日语文章阅读 日语新闻 300篇精选中日文对照阅读 日语励志名言 日本作家简介 三行情书 緋色の研究(血字的研究) 四つの署名(四签名) バスカービル家の犬(巴斯克威尔的猎犬) 恐怖の谷(恐怖谷) シャーロック・ホームズの冒険(冒险史) シャーロック・ホームズの回想(回忆录) ホームズの生還 シャーロック・ホームズ(归来记) 鴨川食堂(鸭川食堂) ABC殺人事件(ABC谋杀案) 三体 失われた世界(失落的世界) 日语精彩阅读 日文函电实例 精彩日文晨读 日语阅读短文 日本名家名篇 日剧台词脚本 《论语》中日对照详解 中日对照阅读 日文古典名著 名作のあらすじ 商务日语写作模版 日本民间故事 日语误用例解 日语文章书写要点 日本中小学生作文集 中国百科(日语版) 面接官によく聞かれる33の質問 日语随笔 天声人语 宮沢賢治童話集 日语随笔集 日本語常用文例 日语泛读资料 美しい言葉 日本の昔話 日语作文范文 从日本中小学课本学日文 世界童话寓言日文版 一个日本人的趣味旅行 《孟子》中日对照 魯迅作品集(日本語) 世界の昔話 初级作文 生活场境日语 時候の挨拶 グリム童話 成語故事 日语现代诗 お手紙文例集 川柳 小川未明童話集 ハリー・ポッター 新古今和歌集 ラヴレター 情书 風が強く吹いている强风吹拂
返回首页
当前位置: 首页 »日语阅读 » 日本名家名篇 » 岛崎藤村 » 正文

破戒17-5

时间: 2017-06-03    进入日语论坛
核心提示:       (五) 敬之進の家を出て帰つて行く道すがら、すくなくも丑松はお志保の為に尽したことを考へて、自分で自分を慰
(单词翻译:双击或拖选)
        (五)
 
 敬之進の家を出て帰つて行く道すがら、すくなくも丑松はお志保の為に尽したことを考へて、自分で自分を慰めた。蓮華寺の山門に近(ちかづ)いた頃は、灰色の雲が低く垂下つて来て、復(ま)た雪になるらしい空模様であつた。蒼然(さうぜん)とした暮色は、たゞさへ暗い丑松の心に、一層の寂しさ味気なさを添へる。僅かに天の一方にあたつて、遠く深く紅(くれなゐ)を流したやうなは、沈んで行く夕日の反射したのであらう。
 宵の勤行(おつとめ)の鉦(かね)の音は一種異様な響を丑松の耳に伝へるやうに成つた。それは最早(もう)世離れた精舎(しやうじや)の声のやうにも聞えなかつた。今は梵音(ぼんおん)の難有味(ありがたさ)も消えて、唯同じ人間世界の情慾の声、といふ感想(かんじ)しか耳の底に残らない。丑松は彼の敬之進の物語を思ひ浮べた。住職を卑しむ心は、卑しむといふよりは怖れる心が、胸を衝(つ)いて湧上つて来る。しかしお志保は其程香(か)のある花だ、其程人を(ひきつ)ける女らしいところが有るのだ、と斯う一方から考へて見て、いよ/\其人を憐むといふ心地(こゝろもち)に成つたのである。
 蓮華寺の内部(なか)の光景(ありさま)――今は丑松も明に其真相を読むことが出来た。成程(なるほど)、左様言はれて見ると、それとない物の端(はし)にも可傷(いたま)しい事実は顕れて居る。左様(さう)言はれて見ると、始めて丑松が斯の寺へ引越して来た時のやうな家庭の温味(あたゝかさ)は何時の間にか無くなつて了つた。
 二階へ通ふ廊下のところで、丑松はお志保に逢(あ)つた。蒼(あを)ざめて死んだやうな女の顔付と、悲哀(かなしみ)の溢(あふ)れた黒眸(くろひとみ)とは――たとひ黄昏時(たそがれどき)の仄(ほの)かな光のなかにも――直に丑松の眼に映る。お志保も亦(ま)た不思議さうに丑松の顔を眺めて、丁度喪心(さうしん)した人のやうな男の様子を注意して見るらしい。二人は眼と眼を見交したばかりで、黙つて会釈(ゑしやく)して別れたのである。
 自分の部屋へ入つて見ると、最早そこいらは薄暗かつた。しかし丑松は洋燈(ランプ)を点けようとも為なかつた。長いこと茫然として、独りで暗い部屋の内に座(すわ)つて居た。
轻松学日语,快乐背单词(免费在线日语单词学习)---点击进入
顶一下
(0)
0%
踩一下
(0)
0%