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海底魔术师-巨人和怪人(2)

时间: 2021-09-10    进入日语论坛
核心提示:「そうですよ。賢吉では、とても、あんなに、すばしっこく働けませんからね。つまり、こういうわけです。明智小五郎は、小林と、
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「そうですよ。賢吉では、とても、あんなに、すばしっこく働けませんからね。つまり、こういうわけです。明智小五郎は、小林と、マネキンの首と、ワラたばを持って、洞窟にしのびこんだのです。そして、ワラたばに賢吉の服をきせ、人形の首をすげて、ろうやのすみにすわらせておき、賢吉には漁師の子どもの着物を着せて、ハヤブサ丸へつれて帰った。そのあとで、小林が洞窟の中を走りまわって、賢吉がふたりになったように、見せかけたというわけです。」
「だが、待てよ。いったい明智は、どうして、ろうやの戸をひらいたんだ。こわれていないのを見るとかぎでひらいたとしか考えられないが。そのかぎはおまえのほかには持っていないはずだ。おまえ、まさか、明智にかぎを、かしたわけじゃあるまいな。」
「そうですよ。かしたおぼえはありませんよ。」
「それじゃ、明智はどうして、ろうやの戸をひらいたんだ。」
「首領、なぞですよ。ちょっと、おもしろいなぞですよ、とけませんかね。」
 このバカにしたようなことばに、首領はおこり出しました。
「こらっ、ジャック、きさまは、おれをなぶる気か。なぞなぞあそびをやってる場合じゃないぞ。きさまは、なにかまだ、おれに、かくしているな。」
 ジャックは、へいきで、しゃべりつづけます。
「つまり、こういうなぞですよ。かぎは一つしかない。そのかぎは、このジャックが持っていた。ところが、ろうやの戸をひらいたのは明智小五郎だった。この算数のこたえは、どういうことになるのでしょうね。」
 暗やみのなかで、首領はだまりこんでいました。ギョッとして、ことばも出ないのです。やがて、首領のふるえ声が聞こえてきました。
「それじゃあ、きさまは……。」
「ハハハ……、わかったようだね。そのこたえは、ジャックと明智とが、おなじ人間だったというのさ。おなじ人間だから、かぎをかりなくても、よかったのさ。」
 パッと洞窟の中が、明るくなりました。ジャックが、懐中電灯をつけて、じぶんの顔をてらしたのです。そのまるい光のなかに、ジャックではなくて、あのモジャモジャ頭の明智小五郎の顔が、にこにこ笑っていたではありませんか。
 やみの中でカツラをとり、つけまゆげをはがし、顔のけしょうをふきとって、もとの明智に、もどっていたのです。
「きさま、やっぱり、明智だったなっ。」
 懐中電灯の光が、首領のほうへ向けられました。黒ふくめんの怪人は、両手をひろげ、いまにも明智につかみかかろうとする、おそろしい姿をしていました。
「やっとわかったね。きみにしては、ずいぶん、気づくのが、おそかったじゃないか。だが、まだなぞがのこっている。それじゃあ、ほんもののジャックはどこへ行ったのか。いつ、ジャックとぼくとが、いれかわったのか。きみはそれを知りたいだろう。
 ぼくは、この洞窟には、きっと、陸上へのぬけ道があるとおもった。それで土地の漁師に変装して、海岸のがけの上をさがしていると、あの林のなかのぬけあなから、ジャックがはいだしてきた。
 ぼくはジャックのあとをつけていって、ふいに、うしろから、おそいかかって、しばりあげてしまった。そして、むこうの村の警察へ、つれていったのだ。そのときから、警察とは、ちゃんと、うちあわせがしてあったのだよ。
 ぼくは一度ハヤブサ丸に帰って、十三人のはだかの勇士を、海底の洞窟の入口から、しのびこませた。鉄の人魚の中にはいっていたきみの部下を、やっつけたのは、その勇士たちだ。

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