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怪奇四十面相-旗语

时间: 2021-11-21    进入日语论坛
核心提示:信号 そのとき、黒井博士は、岩の上に立って、三人の漁師を見まわしながら、むずかしい顔をして、みょうなことを言いだすのでし
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信号


 そのとき、黒井博士は、岩の上に立って、三人の漁師を見まわしながら、むずかしい顔をして、みょうなことを言いだすのでした。
「きみたちに、ちょっと、言っておくことがある。きみたちは、四十面相という、どろぼうのうわさを、聞いているだろうね。」
 すると、若者のひとりが、答えました。
「知っているとも。あの、四十もべつの顔をもっているという、大どろぼうでしょう。新聞やラジオでおれたちも、みんな知っている。その四十面相が、どうかしたのかね。」
「その四十面相が、ここへやってくるかもしれないのだ。」
「エッ、ここへ?」
「そうだよ。わたしたちの探検のじゃまをしに、やってくるはずなんだ、きみ、五郎さんとかいったね。」と、博士は、若者のひとりを指さしました。「きみは、手旗信号ができるんだってね。それをやってもらいたいのだよ。どこか高いところへあがって、町のほうを見ていてくれないか。リュックの中に双眼鏡があるから、それで、宿屋の屋根の上を見はっているんだ。
 宿屋の主人にたのんで、もうひとり、手旗信号のできる人が、やとってある。もし、町へ、東京ものらしい人間が、やってきたら、その人が、宿屋の屋根にのぼって、手旗信号をおくる手はずになっているんだよ。それを読んで、わたしたちに、知らせてもらいたいのだ。
 きょう、町へやってくるのは、四十面相だけじゃない。わたしたちの友だちも、やってくるはずだ。それは八木という人だよ。だから、手旗が、八木が来たと信号したら、この船で、むかえにいってもらいたい。
 また、もし、手旗が、名のわからない人が来たと信号したら、けっして、この島へ、ちかよらせてはいけない。そいつが、べつの船でやってくるようだったら、みんなが力をあわせて、島へあがらせないように、じゃまをするのだ。
 きみたちも、聞いているだろうが、四十面相というやつは、人をころしたり、きずつけたりすることが、だいきらいだから、けっして、あぶないことはない。ただ、じゃまをすればいいのだ。わかったかね。」
 お礼がほしいためとはいえ、魔もののいる島へ、すすんで、やってくるほどの人たちですから、それを聞いても、さしてこわがるようすはありません。ふたりの若者などは、かえって、いさみたつようにみえました。
「じゃあ、おれ、このがけをのぼって、見はりをするから、おめえ、リュックをしょって、あんないしろよ。」
 五郎という若者は、リュックの中から、双眼鏡と、赤と白の手旗をとりだし、そのまま、いっぽうのがけのほうへ、歩いてゆきました。
 そこで、黒井博士は、年とった漁師にむかって、
「きみは船にのこって、やはり見はりをしてくれたまえ。」
 と、さしずし、つぎに、のこった若者に、よびかけました。
「さあ、その、ほらあなのところへ、あんないしてくれたまえ。この島には、大きなほらあなが、ふたつあるんだってね。町のほうから見て、左にあたるほらあなへ、行くんだよ。」
 すると、リュックを、肩にかけた若者が、
「わかってます。それが、魔もののすんでいるほらあなだよ。だんながたは、魔ものにあいにきたんだからね。」と言って、大声に、笑いました。大胆らしい男です。
 そこで、若者を、先頭(せんとう)にたてて、出発したのですが、無人島のことですから、道というものがありません。ただ、デコボコの岩が、どこまでもつづいているばかりです。四人は、一列になって、岩から岩と、つたいながら、だんだん、島の中心へと、はいっていきました。
 しばらく、すすむと、がけとがけに、はさまれた、谷底のようなところへ、さしかかりました。両がわの、びょうぶのような岩は、いよいよ高くなり、その底を歩くのですから、あたりは、夕がたのように、うす暗いのです。いまにも、そのへんの岩かどから、怪物がとびだしてくるのではないかと、さすがの小林少年も、すこし、うすきみが悪くなってきました。
「オヤッ、あの音は、なんだろう。」
 とつぜん、黒井博士が立ちどまって、あたりをながめました。
 耳をすますと、島のまわりには、うちよせている波の音とちがった、ドドドド……という、きみの悪いひびきが、どこからか、聞こえてきます。巨大な怪物が、ほらあなから、はいだして、こちらへ、近づいてくるのではないでしょうか。
「なあに、おどろくことはないよ。あれが、ほらあなさ。」
 さきにたつ若者が、こともなげに、いうのです。
「あれが、ほらあなだって? ほらあなから、あんな音がでるのかね。」
「そうじゃない。滝ですよ。滝が流れだしている音さ。」
 ああ、なるほど、「ながるるなんだのおくへ」でした。ほらあなからは、涙が流れていなければなりません。つまり、水が流れていなければなりません。そうでなくては、あの暗号の文句と、合わないことになります。
 それから、またしばらく、すすみますと、さきにたっていた若者が、とんきょうな声をたてました。
「ホーラ、あれが滝だよ。見えるだろう。ほらあなから、滝が流れているのが。」
 岩かどを、ひとつまがると、はるかむこうに見あげるばかりの高いがけがそびえ、その下のほうに、大きなほらあなが、まっ黒な口をひらいているのが、見えました。その口から、おそろしい、いきおいで、水が流れだしているのです。
 水のおちる高さは、二メートルぐらいで、滝というよりも、激流といったほうがよいかもしれません。その下には、谷川のように水が流れていますが、それは、海が、まがりくねって、いりこんで、入江のようになっているのです。
「ふしぎだねえ。こんな小さな島の、どこから、あんな水が、わきだすのだろう。」
 黒井博士が、滝をみつめて、小首をかたむけました。すると、リュックをしょった若者が、
「あれは、わきだすんじゃない。やっぱり海の水だよ。このむこうがわの、岩のさけめに、うちよせた海の水が、こちらへ、流れだしてくるのさ。だから、ひきしおになれば、あの滝は、なくなってしまうんだ。」と、説明しました。
「フーン、すると、ひきしおまで、またなければ、ほらあなの中へ、はいれないわけだね。きょうはいつごろ、ひきしおになるんだろう。」
「まだ二時間はあるだろうね。これからだんだん、滝のいきおいが、よわくなるが、すっかり水がひくのは二時間あとだね。」
 二時間というのは、このさい、ひどく、まちどおしいことでしたが、まさか、あの激流の中へ、とびこんでゆくわけにもいきません。しかたがないので、岩づたいに、滝のちかくまで行って、そのへんのようすを、見さだめたうえ、五郎という若者が、手旗信号をやるために、のぼっている岩山の下まで、ひきかえし、五郎のすがたを見まもりながら、ひとやすみすることにしました。
「あすこにいるのが、五郎君で、きみはなんとかいったね。」
 黒井博士が、たいくつまぎれに、若者に、話しかけました。
「おれは、大作(だいさく)ってんだよ。五郎とは親友さ。いのち知らずの大作って、あだなをされているんだよ。」
「フーン、いさましいあだなだね。それじゃあ、きみは、こわいものなんか、ないんだろう。わたしたちと、いっしょに、ほらあなの中を、探検する気はないかね。」
「そりゃあ、はいってもいいが、まあ、よしとこう。人間ならこわくないが、化けものは、にがてだからね。」
と言って、大作はニヤニヤと笑うのでした。
「ゆうべ、宿の主人から、あのほらあなで、化けものを見て、死んだ男の話を聞いたが、そのとき、きみも、ほらあなのそとにいたんじゃないかね。」
「そうだよ。みんなで、あいつをまっていたんです。すると、あの熊吉のやろう、人を人とも思わねえやつだったが、それが、まるで、ゆうれいのように青ざめて、穴から、ころがりだしてきた。こっちのほうが、ゾーッとしたよ。だから、おれは、化けものだけは、にがてなんだ。だんながたは、化けものが、こわくないのかね。」
「そのまえから、ここに魔ものがすんでいるという、うわさがあったんだね。」
「そうとも。ずうっと、むかしから、おそろしい主が、すんでいるという、言いつたえがあるんだよ。だから、だれも、ここへ、ちかよらなかったが、熊吉のやろう、よこぐるまをおして、おれが見とどけてやるなんて言って、とうとう、あんなめにあったのさ。」
 そのとき、岩に腰かけて、この話をきいていた小林少年が、スックと立ちあがって、岩山の上を、指さしながら、
「ア、手旗信号をやってる。きっと、だれか、町へきたんですよ。」
とさけびました。みんな立ちあがって、そのほうを見あげます。
「タ……レ……カ。タ……レ……カ。」
 小林君が、手旗信号を、声を出してよみました。岩の上の五郎は、「だれか。」「だれか。」とたずねているのです。それを、なんども、くりかえしたあとで、五郎は、肩からさげていた皮サックから、双眼鏡をとりだして、目にあてました。宿屋の屋根の手旗信号を見ているのでしょう。さて、読者諸君、そのとき漁師町へやってきた人物は、だれなのでしょう。味方の八木さんの一行でしょうか。それとも、敵の四十面相でしょうか。

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