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少年侦探团-大爆炸(3)

时间: 2021-09-20    进入日语论坛
核心提示: フフフ、わかるまい。この穴ぐらの中にはね、二つ三つの洋酒のたるがころがっている。きみはそれを見ただろうね。ところが、探
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 フフフ……、わかるまい。この穴ぐらの中にはね、二つ三つの洋酒のたるがころがっている。きみはそれを見ただろうね。ところが、探偵さん。このたるの中には、いったい何がはいっていると思うね。
 フフフ……、おれはこういうこともあろうかと、ちゃんとわが身のしまつを考えておいたんだ。きみはさっき、この穴ぐらを墓場だといったっけねえ。いかにも墓場だよ。おれは墓場と知ってころがりこんだのさ。骨も肉もみじんも残さず、ふっとんでしまう墓場だぜ。
 わかるかい。火薬だよ。このたるの中にはいっぱい火薬がつまっているのさ。
 おれは刃物を持っていないけれど、マッチは持っているんだぜ。そいつをシュッとすって、たるの中に投げこめば、きみもおれも、たちまちこっぱみじんさ。フフフ……。」
 そして、二十面相は、その火薬のつまっているというたるを、ゴロゴロと穴ぐらのまんなかにころがして、そのふたをとろうとしているようすなのです。
 さすがの名探偵も、これにはアッと声をたてないではいられませんでした。
「しまった。しまった。なぜあのたるの中をしらべて見なかったのだろう。」
 くやんでも、いまさらしかたがありません。
 いくらなんでも、二十面相の死の道づれになることはできないのです。名探偵には、まだまだ世の中のために、はたさなければならぬ仕事が、山のようにあるのです。逃げるほかにてだてはありません。探偵の足が早いか、賊が火薬のふたをあけ、火を点じるのが早いか、命がけの競争です。
 明智はパッととびあがると、まるで弾丸(だんがん)のように、地下室を走りぬけ、階段を三段ずつ一とびにかけあがって、洋館の玄関にかけだしました。ドアをひらくと、出あいがしらに、十数名の制服警官が、二十面相逮捕のために、いま屋内にはいろうとするところでした。
「いけないっ、賊は火薬に火をつけるのです。早くお逃げなさい。」
 探偵は警官たちをつきとばすようにして、林の中へ走りこみました。あっけにとられた警官たちも、「火薬」ということばに、きもをつぶして、同じように林の中へ。
「みんな、建物をはなれろ! 爆発がおこるんだ。早く、逃げるんだ。」
 建物の四ほうをとりまいていた警官隊は、そのただならぬさけび声に、みな丘のふもとへかけおりました。どうして、そんなよゆうがあったのか、あとになって考えてみると、ふしぎなほどでした。二十面相はたるのふたをあけるのにてまどったのでしょうか。それともマッチがしめってでもいたのでしょうか。ちょうど人々が危険区域から遠ざかったころ、やっと爆発がおこりました。
 それはまるで地震のような地ひびきでした。洋館ぜんたいが宙天(ちゅうてん)にふっとんだかとうたがわれるほどの大音響でした。でも、閉じていた目をおずおずとひらいてみると、賊のかくれがは、べつじょうなく目の前に立っていました。爆発はただ地下室から一階の床をつらぬいただけで、建物の外部には、なんの異状もないのでした。
 しかし、やがて、一階の窓から、黒い煙がムクムクと吹きだしはじめました。そして、それがだんだん濃くなって、建物をつつみはじめるころには、まっ赤なかえんが、まるで巨大な魔物の舌のように、どの窓からも、メラメラとたちのぼり、みるみる建物ぜんたいが火のかたまりとなってしまいました。
 このようにして、二十面相はさいごをとげたのでした。
 火災が終わってから、焼けあとのとりしらべがおこなわれたのは申すまでもありません。しかし、二十面相がいったとおり、肉も骨もこっぱみじんにくだけ散ってしまったのか、ふしぎなことに怪盗の死がいはもちろん、三人の部下の死がいも、まったく、発見することができませんでした。

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