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影男-明智小五郎(1)

时间: 2022-02-16    进入日语论坛
核心提示:明智小五郎「おい、斎木、なにをいってるのだ。きさま、気でもちがったのかッ」 小男の須原が、満面に怒気をふくんで、どなりつ
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明智小五郎


「おい、斎木、なにをいってるのだ。きさま、気でもちがったのかッ」
 小男の須原が、満面に怒気をふくんで、どなりつけた。
「気がちがったのじゃない。きみのほうで、とんでもない思いちがいをしていたんだよ」
 斎木運転手は、社長にむかって、ぞんざいな口をきいた。そして、そばの刑事たちにちょっと目くばせすると、ふたりの警官が、それぞれ、影男と須原のからだをしらべて、凶器の類を隠し持っていないことを確かめた。
「思いちがいだって?」
 須原が目をむき出して、一種異様の渋面を作った。
「ぼくを斎木だと思いこんでいたのがさ」
「エッ、それじゃ、きみは斎木じゃないのか」
 そのとき、斎木と呼ばれる男が、片手で自分の頭の毛をつかむと、力まかせにそれをひきむいてしまった。かつらだった。その下から、あぶらけのないもじゃもじゃ頭があらわれた。
 かれは、こんどは両手で自分の顔をおおって、しばらく何かやっていたかと思うと、つるりと、その手をなでおろした。すると、その下から、斎木とよく似ているけれども、しかしどこかまったくちがった顔があらわれた。
 影男はその顔を知っていた。新聞や雑誌の写真で見たことがある。もじゃもじゃ頭が目じるしだった。
「アッ、きみはもしや……」
「私立探偵(たんてい)の明智というものだよ」
 相好の変わった運転手が、ニコニコ笑っていた。あたりがシーンと静まりかえった。影男も、須原も、急にはものがいえなかった。
 やっとして、須原が不思議にたえぬ顔つきで口を切った。さすがにかれは、一瞬のろうばいから、もうおちつきを取りもどしていた。
「ふん、あんたが音に聞く明智先生ですかい。お見それしました。だが、いったい、いつのまに……? 変装の名人とは聞いていたが」
「六本木の毒ガスと塗りこめ事件の少しまえからね。斎木がどこかぼくと似ているのをさいわい、ぼくは斎木をある場所に監禁して、こっちが斎木になりすまし、きみの忠実な部下となった。そして、たった今まで、忠勤をぬきんでていたというわけだよ」
 明智はやっぱりニコニコ笑っていた。
「ハハハハハ、これはおかしい。すると、きみは人殺しのてつだいをしたわけだね。篠田昌吉と川波美与子を毒ガスで殺して、へやの中へ塗りこめたとき、きみはレンガ積みまでやったじゃないか。ガスのネジをあけたのもきみだ」
「それがたいへんな思いちがいだというのさ」
「エッ、なんだって?」
「ガスのネジをひらいたり、レンガを積んだりしたときには、ふたりはもう、あのへやにはいなかったのだよ」
「バカなことを。おれたちは、絶えずドアの外で見はっていた。出入り口は、あのドアのほかには絶対になかった」
「見張ってはいたさ。きみとぼくと代わりあってね」
「エッ、代わりあって?」
「ふたりをあのへやに閉じこめて、きみはのぞき窓からしばらくからかっていた。いやがらせをいっていた。それから、川波良斎を迎えに行った。あとの見張りは、このぼくに任せておいてね」
 小男の須原の目が、いっそうとび出した。そして、ウーンといったまま、二の句がつげなかった。
「あのすきに、ぼくはへやにはいって、ふたりを逃がした。ふたりは廊下の窓から出て、木のかげを伝って裏口へまわった。そこにぼくの部下が待ちうけていた」
「いや、ちがう。そんなはずはない。良斎をつれてきて、のぞき窓からのぞかせたとき、良斎がふたりの姿を見ている。見なければ、あいつが承知するはずはない」
「そこに、ちょっとからくりがあったんだよ。まあ手品だね。ぼくはズボンとスカートと二足のくつを、新聞紙に包んで、あの廊下の物置きべやに隠しておいた。それと同じ物置きべやにあった古服なんかを持ってあのへやにはいった。そして、ふたりにズボンと、スカートと、くつをぬがせ、ぼくの用意しておいたのとはきかえさせて、逃がしたのだ。残ったふたりのズボンと、スカートと、くつで、古服なんかを(しん)に入れて、人間の下半身をこしらえた。それを、のぞき窓の下の壁ぎわにならべて置いた。真上の窓からのぞくと、壁ぎわの上半身は見えないから、ふたりが絶望して、壁にもたれて、足をなげ出していると信じてしまったのだ」
「ちくしょう! やりやがったな」
 須原が、じだんだを踏むようにして、とんきょうな声をたてた。

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