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十四 真の征服(3)_失われた世界(失落的世界)_日语阅读_日语学习网

时间: 2024-10-24    作者: destoon    进入日语论坛
核心提示: 夕方近くに湖の岸までたどりついた。茂みの中から抜けだして目の前に拡がる湖面を見た瞬間、連れの土人たちはかんだかい喜びの
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 夕方近くに湖の岸までたどりついた。茂みの中から抜けだして目の前に拡がる湖面を見た瞬間、連れの土人たちはかんだかい喜びの叫びを発して元気よく前方を指さした。鏡のような湖面を、カヌーの大船団がわれわれの立っている岸めざしてこぎ寄ってくる。最初それを見つけたときはかなり距離があったのだが、矢のような速さで進んでくるので、間もなく漕手がわれわれの姿を見分けられるほど近づいた。すぐに喜びのどよめきがあがり、船の中に立ちあがってかいや槍やりを、気ちがいのようにふりまわすのが見えた。やがてふたたび仕事にとりかかり、猛スピードで岸までたどりついて傾斜した砂浜に船を引きあげた。それからわれわれのほうに駆け寄ってきて、歓迎の叫びを発しながら若い酋長の前にひざまずいた。やがてそのうちの一人、大きなピカピカのガラス玉で作った首飾りと腕輪をつけ、美しい斑点のあるこはく色の動物の皮を身にまとった老人が走りだしてきて、われわれが救ってやった若者をいとおしそうに抱きしめた。それからわれわれのほうを向いて何か質問し、今度は前より威厳をこめてわれわれを一人ずつ抱擁した。つぎに彼の命令で全種族が地面にひれ伏して敬意を表した。わたし自身は身にあまる敬意を表明されていささか照れくさく、落ちつかない気持だったが、ジョン卿とサマリーも表情から察するにどうやら同じ気分らしい。しかしチャレンジャーだけは陽光をいっぱいに吸いこんだ花のように胸を張っていた。
「彼らは未開の種族かもしれないが」と、チャレンジャーがひげをしごいて周囲を見まわしながら言った。「目上の人間に対するこの礼儀正しさは、より進歩したヨーロッパ人種も見習わなければならないところがある。どうだ、この自然児の本能の正しさは!」 土人たちがこれから闘いにでかけようとしていることは一目見て明らかだった。全員が骨の穂先きをつけた竹の槍や弓矢を持ち、腰に棍棒や石斧のようなものをぶらさげていたからである。彼らが黒い、怒りにみちた目を森のほうへ向け、「ドダ」という言葉をひんぱんにくりかえしているところを見れば、老酋長の息子を救うかまたは復讐するためにでかけてきた救助隊であることが明らかだった。酋長の息子というのは、われわれと一緒の若者がそうだろうという推測である。やがて種族全員が車座になって会議をはじめた。その間われわれは玄武岩の一枚岩に坐って成行きを見守っていた。二人か三人の戦士が発言し、最後に若き酋長の息子が身ぶり手ぶりをまじえて熱弁をふるった。まるで彼らの言葉を知っているかのように、彼の言っていることがよくわかった。
「このまま帰ったところでどうなるのだ?」と彼は言っているらしい。「遅かれ早かれやらなければならない。諸君の仲間が殺されたのだ。われわれだけ無事で帰ったらどうなると思う? ほかの仲間はみな殺された。われわれだって決して安全ではない。こうしてみな集まって用意もできているではないか」ここで彼はわれわれを指さした。「この不思議な人たちはわれわれの味方だ。彼らは偉大な戦士であり、われわれと同じように猿人を憎んでいる。この人たちは」と、ここで天を指さして、「雷と稲妻を支配している。こんないい機会がまたとあるだろうか? 前進しよう、そして今死ぬか、将来安全に暮らすか、いずれにしてもこのままでは恥かしくて女たちのもとへ帰れないではないか」 小柄な褐色の戦士たちは若者の言葉にじっと耳を傾けていたが、彼が話し終わると同時に、粗末な武器をふりまわしながらとき??の声をあげた。老酋長がわれわれのほうに進み出て、森のほうを指さしながら何事か質問した。ジョン卿がちょっと待てと身ぶりで示してから、われわれのほうを向いた。
「では一人ずつどうするか言ってください。わたしはあのエテ公どもにいろいろと恨みもあるし、あいつらを地球上から抹殺することになっても地球は別に文句を言うまいと思う。わたしはこの褐色の仲間に味方して闘いに参加するつもりです。きみはどうかね、マローン君?」「もちろんぼくも一緒に行きます」
「あなたは、チャレンジャー教授?」
「協力するとも」
「サマリー教授は?」
「この探検の目的からだいぶ脇道へそれたようだな、ジョン卿。わたしはロンドンの教職をはなれてこの旅行に参加したとき、蛮族をひきいて類人猿の村を襲撃することになるとは夢にも思わなかったよ」「その卑しい目的にわれわれが役立つんですよ」ジョン卿が笑いながら言った。「とにかく今はのっぴきならない、どうしますか?」「どうもわたしには納得がいかんが」と、サマリーは最後まで抵抗を示した。「みんなが行くのならわたしだけ残る理由もなさそうだな」「それで決まった」ジョン卿は老酋長のほうを向いてうなずきながら、ライフルを軽く叩いてみせた。老人はかわるがわるわれわれの手を握りしめ、ほかのものはいよいよ大きな歓声をあげた。その夜は時間が遅すぎて進撃できなかったので、インディアンたちは簡単に野営の準備をした。四方で焚火がたかれ、焔と煙をだしはじめた。森の中へ消えた数人が、やがて禽竜イグアノドンの子供を一頭追いたてて戻ってきた。これまたアスファルトの汚れを肩の上にくっつけており、土人の一人が持主のような態度で前に進み出て屠殺の許可を与えたとき、この巨大な動物が彼らにとっては家畜のような個人財産であり、あれほどわれわれを悩ましたアスファルトの謎が、実は所有者の印でしかないことがやっとわかった。草食獣で動きがにぶく、脳みその少ないこの頼りない動物なら、子供でも思いのままに動かすことができるだろう。間もなくこの巨大な動物は細かく切り刻まれ、槍で突かれた湖の大きな硬鱗魚とともに、その肉片が十か所以上もの焚火で焼かれた。
 サマリーは砂の上に横たわって眠っていたが、ほかの三人はこの神秘の国についてさらに詳しい知識を手に入れるべく、湖の岸を歩きまわった。二度ばかり、翼手竜の沼地で見たのと同じ青粘土の穴を見かけた。この古い噴火口あとを見たとき、なぜかジョン卿が大いに興味を示した。一方チャレンジャーの関心をひいたのは、正体不明のガスがごぼごぼと表面に大きな泡を生じさせている泥の間欠泉だった。彼は管になったアシの茎をそのくぼみに突き刺して、上端に火をともしたマッチを近づけた。鋭い爆発がおこって青い焔がふきだしたのを見て、まるで小学生のように歓声を発した。さらにアシの先端に革の小袋をかぶせてガスでふくらませたものが、ふわりふわりと空中に浮きあがったときの喜びようといったらなかった。
「可燃性のガスだ、しかも空気よりはるかに軽い。遊離水素がかなりの割合で含まれているに違いない。G?E?Cの頭脳はまだかれはてていないようだぞ、マローン君。偉大な精神がどのようにして大自然の力を利用するかお目にかけよう」彼は何か秘密の目的を心に抱いたらしかったが、それ以上は何も語らなかった。
 
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