(CNN) 米カリフォルニア大学バークリー校の気候変動問題の研究者グループは16日までに、地球温暖化に伴い稲妻の発生回数が激増し、今世紀末には50%増になると予測する論文を発表した。
科学誌「サイエンス」に掲載された。米国家気象局の大まかな推定数字によると、稲妻が地上の人間に命中する確率は人間の一生で1万2000回に約1回。今回の論文の主張が正しければ、2100年までには8000回に1回の比率に増える。
同校の研究者は地球規模で今後予想される気温の上昇率などを踏まえ、気候の計11モデルを調べて今回の結論を導き出した。地球温暖化は空中での水蒸気増加を促し、激しい雷雨の発生条件が生じやすくなると指摘。これは稲妻の一層の発生を意味し、地上への落雷増加につながるとしている。
稲妻の一層の発生の予想は、二酸化炭素の排出量が現在と同様の増加傾向で推移することも前提にしている。
また、稲妻は全ての森林火災の半数を引き起こすことになるとも分析。稲妻が原因の森林火災は消火がより困難になるとも述べた。
一方で研究者チームは稲妻の落下の頻度を予想出来る有効な方法も編み出したと主張。降水量や大気上空に張り出す対流雲の発生や速度などのデータが得られれば、稲妻発生の頻度の変動を解明出来ることが可能としている。