「golden blood」(黄金の血)と呼ばれる血液があることをご存じだろうか。世界の人の0.01%未満(国際赤十字社調べ)しかいないという、希少な血液型の通称だ。英国の生命科学サイト「mosaic」および米国の放送局abcのニュースサイトが10月、11月と、この血液型について報じ、これを日本のニュースサイト「Gigazine」が紹介。日本のネットでも話題になっている。
これらによると、血液型は赤血球の表面にある抗原で決まり、人間の場合、最大342種類の抗原が存在するという。それによって血液型は、A型、O型などの「ABO方式」や「Rh式」だけでなく、何百種類にも分類される。その中で、抗原を一切持たず、誰にでも輸血することができる「Rh null」型が、この「黄金の血」である。
このRh抗原がまったく存在しない「Rh null」型は、2010年時点で世界中を見渡しても確認されているのは43人。医学的にも非常に重要なものだという。
ロンドンにある国立のサイエンス・ミュージアムは、公式Twitterで「mosaic」の記事に「Today’s excellent」(今日の良記事:編集部訳)とのコメントをつけてツイート。また、日本のツイッターユーザーも、
「すげーワクワクする話。誰にでも輸血できる完全な血液」
「すごい血もあるもんだ。これを人工培養とか出来たら良いのにね」
と、驚きや期待の声が多く見られた。だが、
「『他の人には黄金の血だろうけど、当人は殆どの人から輸血してもらえないのだから、黄金の血なんて思えないのではないかな?』」
という意見も。
ちなみに「Rh null」型を持つ人で、輸血に応じることを了承しているのはたった6人。その中には日本人も含まれるという。人間の肉体の不思議を感じさせるニュースだった。