■ちょっと高級なもの、家族・自分が好きなものが人気
「つゆもついていた高級な素麺は飽きなかった」(ハイビレッジさん)、「ちょっとお高いアイスクリーム」(りょうりょうさん)、「子どもがいるのでジュースやゼリーが嬉しい」(なおりんさん)と、夏の味覚は人気だった。また、「もらったビールは格別にうまい!」(lokaltombiさん)、「ビールはいろいろ銘柄あるけど、とりあえず一番売れているものなら外さない」(梅干し食べてスッパマンさん)のように、ビールを推す声も多かった。
「鬼灯(ほおずき)、朝顔、高級うちわ。意外と受けがよい」(catseyeさん)のような、夏ならではの粋な贈りものや、洗剤やコーヒー、のりなど日常使えるものも挙げられた。
お中元を贈るのは、東日本では7月1日から15日ごろ、西日本では8月1日から15日ごろと地域によって時期が異なるが、月初めから15日ぐらいまでに贈るのが通例である。だがそもそもお中元とは何なのか、失礼にあたらない贈り方や品選びのポイントなどもあわせ、京王百貨店の進物サロンに問い合わせてみた。
■昔は「中元」だけでなく、「上元」も「下元」もあった!?
「昔の中国では1月15日、7月15日、10月15日を『三元』として祝う習慣があり、7月15日を『中元』として半年間の無事を祝い、祖先の供養をしました。それが日本のお盆とあわさって、独特の行事となったのです」(京王百貨店)
親も教えてくれなかった!と、驚く人もいるかもしれない。中元とはもともと先祖にお供えをする風習だったのが、時代とともにお世話になった人へ贈りものをする習慣に変わっていった。そして年の真ん中の「元」がお盆との兼ね合いもあり、今も「中元」として残っているのだ。
7月15日が中元だということはわかったが、そのタイミングを逸してしまった場合はどうすればいいのだろうか? さらには喪中のときはどうしたらよいのか?
■時期がずれても掛紙を変えれば大丈夫
「中元の時期を逃してしまった場合は、掛け紙の表書きを8月6日の立秋頃までは『暑中お伺い』、立秋を過ぎて9月初旬頃までは『残暑お伺い』としてください。ただ、旧暦(8月初~中旬)のお中元を風習としている地域は、その限りではないので注意が必要です。お中元の時期にご逝去された、または忌明けが済んでいないご家庭には、忌明け後に贈ります」(京王百貨店)
お中元は祝い事ではなく、お世話になっている方への感謝の気持ち。よって忌明け後であれば贈って問題はないわけだ。
■夏ならではの涼しさを感じる商品やこだわったアイテムがトレンド
「お中元で贈っていけないものは特にありませんが、贈られる方の体質に合わない可能性がでそうなものは避けたほうが無難です。金額はさまざまですが3,000~4,000円のものを選ばれるお客様が多く、毎年同じものを贈られる方も多いです」(京王百貨店)
人気の定番はやはりビールで、年配の方には素麺、子どものいる家庭ではゼリーや洋菓子も外せないとのこと。また「もらって選べるギフト」など、カタログギフトも年々人気が高まっているとのことだ。
他にも今年は、国産ウイスキーや限定醸造のビールなどのアルコール類や、原料や製法にプレミアム感のある「のどぐろと真鯛の天日干しセット」などが、ヒットしそうだと教えてくれた。また、つるりとした口あたりの和洋菓子の詰め合わせなどは、夏の涼しさを感じられるので幅広い世代におすすめだという。
日本の美しい伝統である「お中元」は、お歳暮に比べて夏の季節感を出しやすい。おもてなしの気持ちを込めた季節のご挨拶として、今年はこだわりのアイテムを選んでみてはいかがだろう。