▽身体を洗って残暑に備える
立秋には、入浴に関する習慣が多い。中国の各地方には立秋の日、太陽が昇る前に身体を洗う、日の光に晒した水で身体を洗う、あるいは立秋には身体は洗わないといった習慣が見られる。これは、立秋を過ぎても「秋老虎(残暑)」がしばらく続くためで、あせもなどの夏の病気を防ぐためだ。
例えば、蘇州では古くから、立秋の朝にお湯で身体を洗うという伝統がある。庭のペパーミントの木から葉っぱを数枚摘み取り、その葉を浸したお湯で洗うというところもある。
▽美味しい肉料理を食べて滋養をつける
立秋にはこのほか、美味しい肉料理を食べる「貼秋膘」と呼ばれる習慣もある。三伏(夏の最も暑い時期)の期間は食欲が出ないため、痩せる人も多いが、秋にはその分をどうにかして補い、身体を回復させなければならない。そこで、立秋には美味しい食事、特に肉料理を食べることになる。
この習慣は中国北方で特に盛んだ。例えば北京の伝統家屋・四合院では、立秋には肉の煮物や焼き魚、鶏肉や鴨肉の煮物をよく食べる。紅焼肉(豚の角煮)、豚肉をゆでて冷やしたものを唐辛子醤油で食べる「白切肉」、自家製のタレで煮込んだ豚のもも肉などのほか、肉・カニ肉・瓜などの餡の餃子を食べることもある。
立秋に肉を食べることで、身体に必要な栄養素(脂肪やたんぱく質、微量元素など)を補うことができるだけでなく、抵抗力の向上にもつながる。また、肉を煮込む時に使う様々な調味料(生薬)には、身体の調子を整える様々な効果がある。このため、美味しい肉料理で食欲が満たされると同時に、健康・滋養にも役立つというわけだ。
▽桃やスイカ、卯の花を食べる地方も
立秋には、肉料理の他にも食べ物に関する習慣があり、「啃秋」「咬秋」などと呼ばれている。
この習慣は北京、天津、河北の一帯で盛んに行われており、立秋の前日にかぼちゃ、砂糖漬けナス、ナギナタコウジュのスープなどを庭に置いておき、立秋の日に食べることで、暑気を払い、赤痢や下痢を防げると言われている。
北方と江南の一部の地方では、立秋にスイカを食べる習慣がある。スイカは暑気を払い、身体に停滞した湿気と熱を取り除く効果を持つ。江蘇省などでは、立秋にスイカを食べることを「咬秋」と呼び、あせもを防げるという。
また、卵や桃、おからを食べる習慣がある地方もある。杭州では、大人も子供も1人1つずつ桃を食べる。食べ終わった後の桃の種はとっておいて、大晦日の夜に種を炉で焼いて灰にすると、来年の病気を免れることができると言われている。
山東省の一部の地方(青島、莱西など)では、卯の花を食べる習慣が行われていた。
(转自人民网)