「待たせたなおまえら。そんなにゴージャスじゃないけど、通り沿いにちゃんと二人部屋に洋式トイレの付いているホテルを発見したぜ。ひと部屋120元だ。しかも、そこで働いてる中国人に英語を話す奴がいて、バス探しに協力してくれるってさ。さあ移ろうぜ
「せっかくだけど、オレはここに泊まるよ。洋式ホテルじゃ予算オーバーだし、このじいさんの宿に押しかけておいて今さら別のところに行けないだろ。でも部屋に荷物だけ置いたらそっちのホテルを訪ねて行くから、バス探しには便乗させてくれたまえよ」
「いいよ。エヤルはどうする?」
おう。オレも一人だけ話のわかるメガネのいい奴だから、ここに作者と一緒に泊まるさ。そっちに移ったとして2人部屋にオレ一人だと割高になるしな」
「そうか。じゃあ後で合流しようぜ」
オレ と一緒に待っていた、ユダヤ人3人の中で一人だけ話のわかるメガネのいい奴·エヤルは彼らとは行動を共にせず、この安宿にオレとルームシェアして泊まるということになった。
とはいえオレたちもチェックインを済ませるとすぐ外出してカップルのいる洋式便器ホテルに行き、そこで英語を喋る貴重な中国人をつかまえて5人揃って再びバス停へ。英語使いさんに通訳してもらい、理塘行きのバスはあるのか? また、バスが無ければどのようにして理塘まで行けばよいか? そして、このユダヤ人のカップルはどういう育ち方をしてこんなに自己中心的な放蕩者になってしまったのか?? ということについて聞き込みを行った。
すると……。
やはり、理塘近辺で落石があり、道が崩壊してしまっているという!