中国は世界でも野生動物の種類が最も豊富な国の1つである。脊椎動物は6200種以上生息し、そのうち陸棲脊椎動物が2400種以上、魚類が約3800種類で、世界の脊椎動物種の10分の1を占めている。
中国の大部分の地区は第三紀と第四紀の大陸氷河の影響を受けていないことから、固有の動物が数多く生息している。中国固有の陸棲脊椎動物は約500種存在し、中国の陸棲脊椎動物種の20%近くを占めている。ジャイアントパンダ・キンシコウ・華南トラ・ミミキジ・タンチョウ・トキ・ヨウスコウカワイルカ・ヨウスコウワニなど100種以上の中国にしか生息しない珍しい野生動物がいる。
ジャイアントパンダは体重が135キロにも達する大型の哺乳動物で、やわらかいタケとタケノコを主食とする。野生パンダは現在世界でも1600頭ほどしか生息していない極めて珍しい動物で、世界の野生動物保護のシンボルとなっている。タンチョウは体長が1.2メートルに達する大型のツルで、白い羽で頭に赤い肌が露出しているため、東南アジア地区では「長寿」の象徴とみなされている。ヨウスコウカワイルカは世界でわずか2種類しかいない淡水クジラの1つで、1980年に初めて長江で雌のヨウスコウカワイルカが捕獲され、世界のイルカ研究界で大きな注目を集めた。
中国の動物分布は東北・華北・内蒙古新疆・青海チベット・西南・華中・華南の7地区に分けることができる。各地区の地理条件が異なっており、各種の異なる類型の動物が生息している。