養老保険
中国の基本的な養老保険のカバー率は近年絶えず拡大してきた。これまでは主に国有企業や集団企業に集中していたが、各種の企業と企業化管理の事業部門に拡大し、非国有企業の職員の権益も保障されてきている。2012年末現在全国では都市部勤労者向けの基本的な養老保険の加入者は3億379万人に達し、前年末より1988万人増えた。そのうち、保険に加入した勤労者は2億2978万人、定年退職者は7401万人だった。また全国範囲で都市部・農村部住民の社会養老保険の加入者は4億8370万人に達し、前年同期比1億5187万人増となった。また養老年金の受給者は1億3075万人に達している。
医療保険
基本的な医療保険はすでに都市部の全ての企業や国家機関・社会団体をカバーしており、現在中国でカバー範囲の最も広い社会保険制度の一つである。
2012年中国の医療・保健・疫病予防などの衛生医療機関は95万4389に、病院のベッド数は516万床に達している。北京・上海・天津・重慶などの大都市では、レベルの高い癌や循環器・眼科・歯科・伝染病など各種の専門病院と綜合病院があり、各省・自治区の中級都市にはいずれも近代的な施設が整った総合病院や専門病院がある。現在、県・郷・村の農村では3級医療予防保健網がほぼ確立されており、全国には末端医療衛生機構が91万8003カ所ある。
2012年末現在、中国では都市部の基本的な医療保険の加入者は5億3589万人で前年より6246万人増えた。その中で都市部の基本的な医療保険に加入した農村からの出稼ぎ労働者は4996万人で前年より355万人増えた。
失業保険
中国は人口が多く、就業の圧力が大きい。就業状況を緩和するため中国政府は1993年から労務市場政策を実施し、就業機会を拡大すると共に、特に近年の産業構造調整により起きた国有企業職員のレイオフに対して、再就職プロジェクトを実施している。1998年以来国有企業をリストラされた3000万人の職員が各種のルートや方式を通じて再就職した。2012年末、都市部の失業率は4.1%となっている。各種の企業や事業部門では失業保険制度が実施され、労動力の合理的な流動と統一的な市場の形成を促進した。2012年末までに全国の失業保険加入者は1億5225万人に上り、前年より908万人増えた。
最低生活保障
最低生活保障とは世帯の1人当たりの平均収入が地元政府が決めた最低生活基準を下回る人々に中国政府がある程度の現金を援助し、世帯構成員の基本的な生活需要を満たす社会保障制度である。最低生活保障線はすなわち貧困線であり、最低生活保障の提供は貧困線以下にある住民の基本的な生活を保障するために補助金を給付するやり方である。長年の努力を経て中国の最低生活保障は歴史的成果を収め、都市・農村最低生活保障の受給者数は全国でほぼ7500万人の規模を維持している。