全国の半分以上のチベット族はチベットに住んでおり、他に青海、甘粛、四川、雲南などに分布している。チベット族以外には、漢族、回族、メンバ族、ローバ族、ナシ族、ヌー族、トーロン族など10以上の民族がチベットに居住しており、メンバ族、ローバ族、ナシ族の民族自治体に当たる民族郷もある。
2、チベット族
チベット族の言語は、漢・チベット語系チベット・ビルマ語族のチベット語支に属している。チベット族は主に牧畜業に従事しており、チベット族の都市部住民は、手工業、工業、商業などに携わっている。
宗教はチベット仏教で、民族性は明るく情熱的で、美しい歌や音楽に合わせて踊るのが得意である。
民族衣装は地域ごとに少し異なるが、基本的に長袖の短いシャツで、男性はその上に大きくたっぷりした長袍を着る。女性は袖無しの長袍を纏い、腰には虹色のエプロンの様な帯を締める。そして男女共々弁髪で、首飾りをする。
主食は(ツァンバ=ハダカムギやグリンピースを挽いてさらに炒ったもの)で酥油茶(スーヨウ茶=牛や羊の乳を煮つめて取った油で作ったお茶)やミルクティー、ハダカムギ酒を好み、牛や羊の肉を食す。
その昔、誰かが亡くなると土葬をしていたが、今は天葬、火葬、水葬になった。
3、メンバ族
メンバ族は、チベット高原に集まり住んでいる歴史の長い民族で、人口は10561人(2010年第6回国勢調査)、主には、チベット南部の門隅地域に住み、一部は、モート、リンチ、ツォーナーなどの県に分布している。主に農業に従事し、牧畜業、林業、狩猟や手工業にも携わっている。男女共に赤い長衣を纏い、こげ茶色の帽子や黒いラシャ帽を被り、女性はブレスレットやイヤリングをしている。男性はナイフの鞘をアクセサリーとして腰に結んでいる。メンバ族は男女共に酒好きでタバコも呑む。主食は米、トウモロコシ、そばなどである。ほとんどがチベット仏教を信仰しており、一部地域では、原始宗教も信仰している。水葬がほとんどで、土葬、天葬と火葬もある。
4、ローバ族
ローバ族はチベット自治区東南部のローユ地区に多く集まり住み、人口は3682人(2010年第6回国勢調査)。独自の言葉はあるが文字は無い。主に農業に従事し竹を材料とした編み物を作っている。
鬼神を崇拝する人が多く、客の前を歩く行為をタブーとしているため、必ず客の背後を歩かなければならない。男性は普段は毛糸のノースリーブをまとい、クマの皮や藤で作った帽子を被る。女性は短い上着に、少し長めのスカートという服装である。主食はトウモロコシ、米、蕎麦。