ミャオ族医学では、毒、損、傷、積、菌、虫が人に病気をもたらす6つの要素とされ六因とも呼ばれる。"両病両綱"という理論がある。両病とは冷え病(虚弱体質)と熱病(高熱が出ることを特徴の1つとする病気)を指し、両綱とは"熱性の薬は冷え性を治す""冷え性の薬は熱性を治す"という2つの治療原則を指している。病気を診断する時、医師は脈を取り、声を聞き、顔色を看て病状を尋ね、そして手で触る、撫でる、叩く、打つ、擦る、押す、動かす、図るなどの伝統的な方法で、人体の形態構造の変化と精神面の異常を観察する。
ミャオ族の医師は多くの場合、植物医薬を使用する。そのほか動物医薬と少数の鉱物医薬も使用する。医薬の特色をまとめると、熱、冷えとこの2種の中間にある状態という3つに分けられ、熱性の薬は冷え性を治し、冷え性の薬は熱性の治療に適する。中間性の薬は人体の体質を強くし病後の衰弱を治す。現在の医薬は1500種に達しその内200種が常用薬とされている。