五台山の一番低い海抜は624m、一番高い海抜は3061mである。
五台山には奇妙な自然景観がたくさんあり、そのうち「円虹」が一番といわれる。普通の虹は雨の後に現れ、弧状だが、五台山には雨が降らなくても虹が見える。しかも円形のものだ。もっとも奇妙なのは、七色の円から、動物、鳥、仏様などの模様が見られる。物理、地理、気象などの要素が絡み合ってでできた奇妙な自然景観である。
五台山は、五つの峰に囲まれていることから、この名がついた。この五つ峰の頂上はいずれも平らで広く、東台、西台、南台、北台と中台と名がつけられ、これを合わせて「五台」と呼んでいる。
また、五台山は四川省の峨嵋山、浙江省の普陀山、安徽省の九華山と共に仏教の四大名山と呼ばれ、中でもその長い歴史や規模の大きさから、四大名山のトップと言われている。唐代から7つの王朝の異なる風格の寺院68ヶ所が現存しており、仏教の変化と発展を物語っている。
山内に北魏の時期に大浮図寺と呼ばれる寺が建立され、それ以後、多数の山岳寺院が建立された。最も繁栄した時期には、300以上の寺が林立していたといわれる。その後、三武一宗の廃仏および自然災害による破壊などにより、1956年頃にはあわせて124ヶ所しか残らなかった。なお、仏教の青廟と、ラマ教の黄廟と寺院には2つの種類がある。青廟99ヶ所、黄廟は75ヶ所が残る。
五台山には文化遺産、人的景観があるだけでなく、美しい自然景観もある。崋山の険しさや黄山の奇観はないが、蘆山の雲霧と雲海があり、他にはない仏光がある。五台山は毎年9月に初雪が降り、4月に雪解けを迎え、盛夏は涼しく爽やか。春と秋の旅行でもセーター、パッチは必要。ベストシーズンは夏。
ここにある南禅寺は現存する世界最古の木構造建築の1つ。仏光寺は東方最古の真珠と称されている。五台山のシンボル的な建築である大白塔は元代最高の覆鉢式塔(仏舎利塔)である。五台山風景区は山々が重なり合い、樹木が生い茂り、夏になると花が咲き乱れるが、山頂の氷は千年融けない。景色が素晴らしく、気候も爽やかなため、古来より避暑地となっている。