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Ⅱ 部ぶ分ぶん否ひ定てい
部分的てきに打うち消けしたり、消しょう極きょく的てきに肯こう定ていしたりした
いとき
★3
1 ~ことは~が
2 ~とは限かぎらない
3 ~わけではない
★2
4 ~ないことはない・~ないこともない
5 ~というものではない
★1
6 ~ないものでもない・~ないでもない・~なくもない
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Ⅱ・1 ~ことは~が ★3
【一いち応おう~だが、しかし】
①この漢かん字じは意い味みがわかることはわかるんですが、使つかい方かたがよくわか
らないんです。
②きのう林はやしさんのうちへ行くことは行ったが、留る守すで会あえなかった。
③今の部へ屋やは便べん利りなことは便利だが、狭せまい。
④西にしさんと同おなじ部へ屋やだと、楽たのしいことは楽しいけど、勉べん強きょうが
できないんです。
接続 普ふ通つう形けい(ナAな/Nな)+ことは~が
▶1)「~ことは~が」の形かたちで、「ことは」の前ぜん後ごに同おなじ「~」を繰くり返かえして使つかい、「~は
いちおう事じ実じつなのだが、そのことにあまり意い味みはない・不ふ満まんがある」と言いいたいときの表ひょ
う現げん。
2)過か去このことを言う場ば合あいには②のように前後の形が違ちがうこともある(行く・行った)。
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Ⅱ・2 ~とは限かぎらない ★3
【~ということがいつも本ほん当とうだとは言いえない】
①テレビの天気予よ報ほうがいつも当あたるとは限らない。
②話わ題だいになっているからといって、その本がおもしろいとは限らない。
③テレビで報ほう道どうされることがいつも真しん実じつ(だ)とは限らない。
④事じ故こが起おきないとは限らないから、高い山に登のぼるときはしっかり準じゅん備
びをした方ほうがいい。
接続 普ふ通つう形けい+とはかぎらない
▶1)「~がかならず本ほん当とうであるとは言いえない、例れい外がいもある」という意い味み。
2)「いつも・全ぜん部ぶ・だれでも・かならずしも」などの副ふく詞しとともによく使つかわれる。また、②のよう
に、「~からといって」(18課か7)とともに使われることも多おおい。
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Ⅱ・3 ~わけではない ★3
【全ぜん部ぶが~とは言いえない/かならず~とは言えない】
①鈴すず木きさんは高こう校こう生せい時じ代だいに勉べん強きょうばかりしていたわけ
ではない。よくクラブ活かつ動どうもしていた。
②離り婚こんをしたいという、あなたの今の気き持もちがわからないわけではありませ
ん。
③新しん聞ぶんによると、インフルエンザの予よ防ぼう接せっ種しゅをみんなが受うけら
れるわけではないようだ。
④今日の会かいに出しゅっ席せきしたいわけではないんだけど、頼たのまれたから行くん
です。
接続 普ふ通つう形けい(ナAな・ナAである/Nの・Nである)+わけではない
▶1)「~」の事こと柄がらを部ぶ分ぶん的てきに否ひ定ていする言いい方かた。
2)②の「~ないわけではない」は部分的に肯こう定ていする言い方。④のように「特とくに~のではないが」と説せ
つ明めいするときにも使つかう。
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Ⅱ・4 ~ないことはない・~ないこともない ★2
【~と言える】
①「だれかあしたテニスをしないかなあ」
「うーん、林はやしさんならテニスが好すきだから、しないこともないんじゃない」
②今から走って行けば9時20分の電車に間に合あわないこともない。
③「課か長ちょう、今、お忙いそがしいですか」
「忙しくないこともないけど、どんな用事ですか」
④祖そ父ふは携けい帯たい電話がきらいだと言っていた。しかし、最さい近きんは「便べ
ん利りでないこともないな」と言うようになった。
接続 Vない/イAくない/ナAでない/Nでない+ことはない
▶「~という可か能のう性せいがある」または「~のように言える面めんもある」という意味を表あらわす。二重否ひ定
ていを使って消しょう極きょく的てきに肯こう定ていする言い方、または、断だん定ていを避さける言い方である。
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Ⅱ・5 ~というものではない ★2
【~とは言えない】
①スポーツはただ練れん習しゅうすればできるようになるというものではない。効こう果
か的てきな練習のやり方が大切だ。
②会かい議ぎでは何を言うかが大切だ。ただ出しゅっ席せきしていれば済すむというもの
ではない。
③車はスピードが出ればいいというものではない。何より安あん全ぜんが大切だ。
④お客きゃく様さまに対たいする話しかたはていねいであればいいというものでもありま
せん。
接続 普ふ通つう形けい+というものではない
▶1)「いつも・かならず~とは言えない」と言いたいときの表ひょう現げん。「ある主しゅ張ちょうや考かんがえがい
つも・かならず正しいとは言えない」という意味を表あらわす。消しょう極きょく的てきにある主張や考えを否ひ
定ていするときに使う。
2)③のように「~ばいいというものではない」という形かたちでよく使う。
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Ⅱ・6 ~ないものでもない・~ないでもない・~なくもない ★1
【全まったく~ないのではない】
①「高たか橋はし先生、お酒さけはお飲みにならないんですか」
「いいえ、飲まないでもないんですが、とても弱よわいんです」
②今度の仕事、うまくいきそうな気がしないでもない。
③引いん退たいする選せん手しゅ「正しょう直じきに言うと、今やめるのは残ざん念ねん
だ、という気持ちがなくもないんです」
接続 Vない+ものでもない Vなく/イAくなく/ナAでなく/Nでなく+もない
▶1)「~という可か能のう性せいがある」または「~のように言える面めんもある」という意味を表あらわす。二に重
じゅう否ひ定ていを使って消しょう極きょく的てきに肯こう定ていしたり、断だん定ていを避さけたりする言い方
である。
2)Ⅱ・4「~ないことはない」と同じように使うが、「~ないものでもない・~ないでもない・~なくもない」は個こ
人じん的てきな判はん断だん・推すい量りょう・好すき嫌きらいなどについて使われることが多い。