第三節 日本の川と湖
日本は山が多く、海のそばまで山地の所が多いので、川は一般に短い。日本で一番長い川は信濃川であり、長さが367kmである。これは中国の揚子江の15分の1である。
川は中央の山脈を境にして、太平洋と日本海とへ流れている。このため、川は短く急流が多く、雨が降ると、川の水がすぐ溢れて洪水を起こしやすい。しかし、普段は川に水があまりない。
山地から大量の土砂が河川に供給されるので、河川が小さい割りには運搬する土砂の量が多く、地形の変化が激しい。山地から削られた土砂や岩くずは河川に運ばれ、沖積平野をつくり、また三角州となって海岸を埋め立てている。沖積平野より高く、台地や段丘からなる洪積台地の中には、三角州や扇状地などが隆起してできたものもある。背後に高い山地を抱く大河川の下流域には平野が発達している。
落差の大きい急流は水力発電に適し、灌漑や工業用水や上水道などにもよく利用されて、とくに農業用水の優先的な利用が認められている。川の急流で美しい峡谷を造っているが、交通にはほとんど利用できない。長い川のない日本にはあまり広い平野もない。
湖は山間にあり、水が澄んでいて眺めの良いものが多い。湖の中で一番大きいのは琵琶湖であり、その面積が674km2である。琵琶湖は地盤運動によって断層が生まれ、それが落ち込んでできたものである。また、最も深い湖は田沢湖で、水深423mである。このほか、砂丘・砂州などによって外海と分離してできた潟として、霞ヶ浦168平方キロメートルがある。
日本の湖は主に水上交通、灌漑、発電、工業用水、養魚などに利用されており、景色の良い湖は観光地としても利用されている。