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トットチャンネル(21)

时间: 2018-05-30    进入日语论坛
核心提示:ストライキ とうとう三ヶ月間の養成は終りに近づいた。困ったのは、二十八人全員が、とても気が合ってしまって、誰のことも、ラ
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ストライキ
 
 とうとう三ヶ月間の養成は終りに近づいた。困ったのは、二十八人全員が、とても気が合ってしまって、誰のことも、ライバルとか、押《お》しのけよう、というような気持には、なれないことだった。なれないどころか、「卵の会」という会まで作ってしまった。ガリ版でみんなの名簿《めいぼ》を作ったり、中には、こんな詩を作った人もいたくらいだった。
「私たちは、みんな真白な卵、新鮮《しんせん》な卵、
 雄鶏《おんどり》か、雌鶏《めんどり》か、チャボか、レグホンか。
 そんなことは、神様だけが御存知、
 でも私|達《たち》は、仲良し、いつまでも」
 そして、これは、みんなの気持でもあった。そこで、いよいよ、今日で授業が終り、数日後に、本当の若干名《じやつかんめい》が決定する、という晩、みんなで相談した。結論が出た。つまり、誰か、一人でもNHKが落したら、入った人が全員、結束《けつそく》して、
「じゃ、私達も入りません。全部を入れて下さらなきゃ、絶対に、いやです!!」と、ストライキをしようということだった。
「絶対よ!」「絶対な!」みんなで誓《ちか》い合った。
 そうして、いよいよ新橋の駅で、ばらばらに別れるときが来た。誰かが心細そうにいった。
「でも、やっぱり、このまま、お別れになっちゃうかも知れない。私、きっとダメだから」「お別れなんか、ないわよ」と、誰かがいった。「だから、ストライキ、やるんじゃない!」と、また誰かがいった。「みんなで団結すれば大丈夫!」と、力強そうに誰かがいった。
 最後に、とりしきることが好きな男の人が、いった。「入《はい》れた人は、団結して、一人でも落伍者《らくごしや》のないように。誓ったことを忘れないように。じゃ、また全員で逢《あ》うことを楽しみに!」
「じゃ……」と、みんながいった。「……お逢いするのを楽しみに……」
「またね」「またね」二十八人の誰もが心細いまま、別れた。
 もう、終電車に近かった。
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