[書き下し文]子、伯魚(はくぎょ)に謂いて曰く、女(なんじ)周南(しゅうなん)、召南(しょうなん)を為び(まなび)たるか。人にして周南、召南を為ばずんば、それ猶(なお)正しく牆(かき)に面して立てるがごときか。
[口語訳]先生が息子の伯魚に言われた。『お前は「詩経」の周南・召南の部を学んだことがあるか?人間として周南・召南の部を学ばないと、まるで塀(垣)を目の前にして立っているようなものだ(何も周囲が見えず、身動きがとれないということになる)』
[解説]孔子が息子の伯魚に『詩経』の持つ重要性を教えるために、身近な例え話を用いて語りかけている章である。