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三、練習始動(7)

时间: 2025-06-27    进入日语论坛
核心提示:「心肺機能に負荷をかけることが目的だから、苦しくなければ意味がない」清瀬は微笑んだ。「十キロをある程度のスピードで走れる
(单词翻译:双击或拖选)

「心肺機能に負荷をかけることが目的だから、苦しくなければ意味がない」

  清瀬は微笑んだ。「十キロをある程度のスピードで走れるということは、それ以上の距

離にも対応できるということなんだ。速度と持久力のバランスをうまく取っていくには、

心肺能力を高めることが必須だ。そのためのスピード練習だよ」

「でも、やりすぎてはいけない、だろ?」

  自分なりに理論を調べているらしいユキが、眼鏡を押しあげた。「スピード練習は疲労

度が高いし、脚に負担もかかる」

「そう、故障しては元も子もない」

  清瀬はうなずいた。「初心者には、ビルトアップはまだ早いだろう。まずはスタミナ重

視でいくけれど、それでもスピード練習は不可欠だ。そこで、インターバル走を取り入れ

る」

  どれがインターバル走だ、と練習表を見て戸惑うジョータに、走は教えてやった。

「『200(200)×15』とか、括かつ弧こつきのものがあるだろ?  それのことだ

よ」

「つまり」

  と清瀬がつづけて補足する。「二百メートルを速いペースで走り、そのままゆっくりし

たペースで走る二百メートルに突入する。それを十五回繰り返す、ということだ。これだ

と、合間の二百メートルを走りながら、一息つくことができるというわけ」

「一息つくのも走りながら、か。壮絶だ」

  ユキは表情を引き締め、清瀬に向き直った。「速いペースって、具体的には」

「三十秒から三十二秒ぐらいで二百メートルを走ってほしいけど、いきなりは無理だろう

から、様子を見て指示する」

「走のインターバル走の予定、すごいね」

  ジョージが感嘆しているのかあきれているのかわからない声を上げた。「『400(2

00)×20』っていうのもある!」

「四月だから、まだ軽い練習だよ」

  と走は言った。「夏になったら、もっと走りこまないと」

「これ以上!?」

  一同は先行きに不安を覚えずにはいられなかった。王子は最前から、一言もしゃべらな

い。一人だけまったく別の練習メニューであることに傷ついたのかと、走は気を揉んだ。

しかし王子はもちろん、なんとか走らずにすむ方法はないものかと考えこんでいたせい

で、無口になっていただけだった。

「あの……」

  王子は清瀬とのあいだに、妥協点を見いだそうと試みた。「僕は自主練だけに集中しよ

うかと思うんだけど、どうかな」

「自主練。どんな」

「神童さんから、ルームランナーをもらったんですよ。あれなら漫画を読みながら使える

し、僕は一日中ほとんど漫画を読んでるわけで、けっこう効果が期待できるんじゃないか

と」

「ルームランナーの速度設定は?」

「ゆっくり歩く……ぐらい?」

  清瀬は片眉を吊りあげ、それから一同を見渡した。

「クロカン以外は区営グラウンドのトラックでやる。練習表をよくたしかめて、集合場所

をまちがえないように」

  王子の言葉は、完璧に無視されて終わった。

  清瀬は慎重を期すタイプなので、住人たちには練習日誌の記入が課せられた。練習表に

基づく本練習でのタイムのほかに、毎日自主的にどんな練習をしたか、そのタイムや走距

離を記録して提出するのだ。

「嘘を申告しても、本練習での動きを見れば、だいたいわかるから」

  と、清瀬は釘を刺した。「大切なのは、不満や体の不調を書くってことだ。口では俺に

言いにくいようなことがあったら、遠慮なく練習日誌にぶつけてほしい」

「すでに不満をいっぱい言ってるつもりなのに」

  王子はぼやく。「全然聞き入れてくれないじゃないですか」

「王子の限界が来たと感じたときには、ちゃんと受け止めるよ」

  さらに清瀬は、朝晩のジョッグも、希望者があったら一団となって走ろう、と呼びかけ

た。

「起きられるか不安だ、とか、距離のノルマをこなせるか自信がない、というものは、俺

が面倒を見る」

  走は自分のペースで練習したかったので、朝晩はいままでどおり一人で走ることにし

た。個人主義のユキと、禁煙とダイエットを敢行し、勘を取り戻そうとしているニコチャ

ンも、ジョッグは一人でやりたいと申し出た。そのほかのものは、しばらくは清瀬の号令

のもとに、いっせいに自主練に取り組むことになった。

  走は本練習と自主練を精力的にこなしながら、住人たちの動向をじっとうかがってい

た。だれがいつ脱落してもおかしくないほど、箱根に向けた練習の日々は、惨さん憺たん

たる様相を呈した。

  なにしろ、時間だけはある大学生活をいいことに、好き勝手な暮らしを送ってきた面々

だ。走ること以前に、生活リズムを作るのが、多くの住人にとって一苦労だった。

  早起きしてジョッグ。急いで朝食を摂とってから、大学に行って講義を受ける。終わっ

たら全員が集まって、原っぱか区営グラウンドでその日の本練習のメニューをこなす。あ

とは寝るまでの時間をやりくりしつつ、晩のジョッグをしなければならない。

  朝は清瀬が打ち鳴らす鍋の音が響き、夜には疲れはてて、風呂にも入らず気絶するよう

に眠ってしまうものが続出した。

「最近、アオタケは変な臭いがしているような気がします」

  母屋の風呂で、ムサは走にそう言った。脱衣所でかちあった二人は、時間を節約するた

め、狭い湯船に一緒に浸かっていた。ムサの流儀にのっとり、風呂場の電気は消してあ

る。

「むさい男が十人もいて、しかも運動してるのに風呂に入ってないやつがいますからね」

「だれとは言いませんが、双子とキングさんと王子です」

「言っちゃってますよ、ムサさん」

  ふふふ、とムサは笑った。

「キングさんと王子は、本当にお疲れです。でも双子は、面倒くさがって入らないだけで

す」

「それはいけませんね」

  ムサと話していると、なんだか走まで堅苦しいしゃべりかたになってしまう。

「私は心配しています。風呂に入らないと、女の子にモテません。走は双子の同輩でしょ

う。今度それとなく注意してあげたほうがいいです」

  同輩という単語を日常会話ではじめて聞いたな、と思いながら、走は「はい」と言っ

た。


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