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四、記録会(1)

时间: 2025-06-27    进入日语论坛
核心提示:四、記録会春から初夏にかけては、大会の季節だ。毎週のように、大学主催の記録会や、企業も協賛する競技会が開催される。記録会
(单词翻译:双击或拖选)

四、記録会

  春から初夏にかけては、大会の季節だ。毎週のように、大学主催の記録会や、企業も協

賛する競技会が開催される。

  記録会という目先の目標があると、練習にも張りあいが出てくる。清瀬とともに朝晩の

ジョッグをしているのは、いまや王子とキングだけだ。ほかのものは、清瀬に叩き起こさ

れることもほとんどなく、積極的に練習メニューをこなすようになった。

  清瀬はそれぞれの性格にあわせ、さりげなく指導する。着実にノルマをこなすことに喜

びを見いだす神童には、より詳細な練習メニューを作ってやっていたし、学究肌のユキが

納得するまで、トレーニング法についての議論に応じた。ジョータは褒められるとやる気

を出すので、練習中も頻繁に声をかけ、放っておいても走るジョージには、あえて走りに

関する話題は振らない。

  清瀬は基本的には、住人たちの好きなように走らせていた。練習の方針を丁寧に伝え、

必要とするものに少しアドバイスするだけだ。そうやって巧みに、住人たちのやる気を引

きだす。走かけるは魔法を見るような気持ちがした。強要せず、罰則を設けず、走る気に

なるまで執念深いほどじっと待つ。そんなやりかたがあることを、走はこれまで知らな

かった。

  俺が陸上をはじめたころに、もしハイジさんが監督だったら、俺はいまごろもっと速い

ランナーになれていたかもしれない。走はそう思った。現に竹青荘の住人たちは、少しず

つだが確実に、タイムを縮めつつあった。

  その一方で、清瀬の態度をなまぬるいとも感じた。相手は素人同然の、にわかランナー

だ。もっと厳しく練習させないと、予選会にまにあわない。本気で箱根駅伝を目指す気が

あるのか、と苛立った。

「だいたいのものは、五千メートルを確実に十七分以内で走れる力がついてきた」

  双子の部屋での酒盛りの最中、清瀬は集まった住人たちに向かって言った。どんなに練

習でへばっても、十日にいっぺんは全員で酒を飲んでいる。竹青荘の住人に下戸はいな

い。酒好きの集団なので、みんなで飲めばそれだけでいいストレス発散になる。

「ただ、初心者が多いからね。はじめてのレースで緊張することもあるだろう。いくつか

の記録会に出場登録しておいたから、いつかは十七分以内のタイムが出ればいい、という

程度の気楽さで臨んでくれ」

  走の隣で漫画を読んでいた王子が、こそっと尋ねてきた。

「なんでハイジさんは、十七分にこだわってるのかな」

「箱根駅伝の予選会に出場するには、『五千メートルを十七分以内』の公認記録が必要だ

からですよ」

  ルールがさっぱり頭に入っていないらしい王子に、走も囁きかえす。「公認記録を持つ

ために、公式の大会や記録会に出るんです」

「まえにも説明されたのに、忘れたのか」

  ユキの眼鏡の縁が光った。漫画のタイトルはよく覚えてるくせに、と言いたそうだ。

「どうもハイジは、予選会出場だけに照準を絞る作戦みたいだな」

  ユキの言葉に、「そうですね」と走はうなずく。

「まあ、俺もそれが順当だとは思うが」

  ユキは物憂げに眼鏡をはずし、皺しわひとつないハンカチでレンズを拭いた。「走はイ

ンカレに出なくていいのか?」

  走は黙っていた。かわりに王子が、「インカレってなに?」と聞く。ユキはさっさと、

部屋の隅で針金人形を作っているニコチャンのほうへ行ってしまった。王子は漫画を開い

たまま、まだ答えを待っている。

「大学対校の、陸上競技の選手権です」

  と走は言った。「五月に関東インカレ、七月に全日本インカレがある」

「僕たちも参加すればいいじゃない」

「トップレベルの学生ランナーのための大会ですから、参加の基準になるタイム設定が、

箱根の予選会よりも厳しいんですよ」

「ふうん」

  王子は怪訝そうにうなり、膝のうえに置いた漫画に視線を戻した。「でも走は、そのタ

イムもクリアできるんだろう?」

  もちろんだ。だが走は、曖昧に笑ってみせただけで話を終わらせた。

  思い思いの場所に座る住人たちに、清瀬がプリントを配った。大学主催の、いろいろな

記録会の日程が書かれている。走はその紙を、ひどく重いものであるかのように、すぐに

畳に置いてしまった。インカレどころか、記録会に出ることにもためらいがあった。強豪

校が集うその場所には、高校時代に陸上部で一緒だったものの姿がきっとある。かつての

チームメイトと、走はまだ顔を合わせたくなかった。

  清瀬はプリントを手に説明をつづけている。

「まずは東京体育大学記録会。五月のはじめに動どう地ち堂どう大学記録会。二週間おい

て、喜き久く井い大学記録会だ。それでも駄目なら、六月末にもう一度、東とう体たい大

だい記録会がある。あせらずに、十七分の壁を突破してほしい」

  ジョータとジョージは、

「ゴールデンウィークなのに記録会に出るの?」

「六月末って、梅雨だよ。雨のなかを走るのはいやだなあ」

  と不満を述べたが、口先だけのことだ。練習でそれなりに自信がついてきたところだか

ら、「絶対に早い段階で十七分以内のタイムを出す!」と、目に闘志が満ちている。

「ただ、インカレに挑戦したいんだったら、一回目の東体大記録会からフルスロットルで

いく必要がある。インカレの参加標準記録を作る有効期限は、この記録会までだからな」

  と清瀬は言った。「インカレポイントにはならないが、陸上選手としてはやはり、イン

カレに参加するのも大事だ。どうする、走?」

  清瀬に話しかけられたのに、走はぼんやりしていた。「走、どうかしたのか」と重ねて

言われ、はっとしてプリントから視線を上げる。

「いえ、なんでもないです」

「ねえねえ、インカレポイントってなに?」

  とジョージが言ったので、探るような清瀬の眼差しから、走は逃れることができた。

「いままで黙っていたが」

  清瀬は背筋をのばし、ジョージだけではなく全員に伝わるように、声を張りあげた。

「箱根駅伝の予選会は、十人が二十キロを走った純粋な合計タイムだけで競うわけじゃな

いんだ」

  それぞれ好き勝手にしゃべっていた住人たちが、口をつぐむ。室内が静かになり、疑問

と困惑を含んだ視線が清瀬に集中した。

「予選から本戦へ進める枠は十だが、実はそのうちのひとつは『選抜チーム』だ。本戦に

は進めなかった大学のなかにも、予選会のタイムがよかった選手はいるからね。彼らに対

する救済措置だ。言葉は悪いが、寄せ集めのチームを作るわけだ」

「じゃあ実質的には、予選会から箱根駅伝に出場できるのは九校だけなんですね?」

  と神童。

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