あふことの 絶えてしなくは なかなかに 人をも身をも恨みざらまし
中納言朝忠
【歌意】 もしもあなたに逢うことがなかったならば、あなたの無情を恨んだり自分の不幸を恨んだりすることもなかったろうに。
【作者】 (ちゅうなごんあさただ) 910~966年 藤原朝忠。三条右大臣?定方(さだかた)の五男。
【説明】 まれの逢瀬があり、それを期待するあまり、いらだたしい気持ちになって、相手のつれなさや自分の運命を恨んでしまう、という。」「世の中」「男女の仲」にかかる掛詞。わずかな逢瀬も許されない恋への絶望感を詠んだ歌。