忘れじの 行く末までは かたければ 今日をかぎりの命ともがな
儀同三司母
【歌意】 いつまでも忘れないというあなたの言葉が、いつまでも変わらないとは思えません?ですから、いっそ今日を限りに死んでしまいたい。
【作者】 (ぎどうさんしのはは) ?~996年 高階貴子(たかしなたかこ)。藤原道隆(ふじわらのみちたか)の妻。儀同三司(伊周)、定子(一条天皇の中宮)の母。
【説明】 道隆が婿として通い始めた結婚当初に詠まれた歌。喜びの中にも不安を隠せない女性らしい感じが自然な姿で詠まれている。