長からむ 心も知らず 黒髪の 乱れてけさは 物をこそ思へ
待賢門院堀川
【歌意】 末永く愛してくださるのか、あなたの心はまだわからない。一夜をともにしてお別れした今朝は、昨夜の黒髪の乱れのように、私の心はちぢに乱れて物思いに沈んでいます?
【作者】 (たいけんもんいんのほりかわ) 12世紀前半の人。待賢門院に仕えた女流歌人。
【説明】 これも崇徳院に百首の歌を奉った(久安百首)ときの歌。「乱れて」は「黒髪が乱れて」と「心が乱れて」の掛詞。男が届けてきた後朝の歌に対する返歌の趣で詠んでいる。