ある雨上がりの午後、ホジャおじさんが屋根の修理をしていると、一人の男がやってきて戸をたたきます。
「何の用じゃい!」
ホジャおじさんが屋根の上から聞くと、男が答えました。
「ちょいと下まで降りてきてくだされ。申しあげたい事がありますのじゃ」
「しょうがねえな」
ホジャおじさんが、何の用事かと降りると、男は手をさし出して言いました。
「だんなさま。わたしはあわれなこじきです。どうぞ、おめぐみを」
するとホジャおじさんは、ニコニコ笑いながら言いました。
「そうか、よしよし。じゃあ、こっちへ上がってきてくれ」
ホジャおじさんは先に立って、男を屋根の上までつれていきました。
そして、大きな声で言いました。
「お?こ?と?わ?り?じゃ!」