このホジャおじさんが、子どものころのお話です。
ホジャのお母さんが、ホジャに言いました。
「川へ洗濯に行ってくるから、表の戸をはなれないで、しっかり番をしておくれ」
「わかった」
ホジャが戸口で番をしていると、親せきのおじさんがやってきました。
「ホジャや、お昼におばさんと一緒にくるから、お母さんに言っておくれ」
「わかった」
するとホジャは戸口の戸をはずすと、背中に背負い、川の方へ走って行きました。
それを見つけたお母さんが、あきれて聞きました。
「まあ、そんな物を背負ってどうしたの?」
するとホジャは、少し怒って言いました。
「だって、母ちゃんは、戸をはなれないで番をしろって言うし、おじさんは、昼におばさんと一緒にくるから母ちゃんに知らせろって言うし。二人の言いつけをまもるには、こうするほかないだろう!」