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一本の釣りざお(3)

时间: 2022-09-01    进入日语论坛
核心提示:三 甲こうは、これがために思おもいもよらない大金たいきんが手てに入いることになりまして、その翌日あくるひから甲こうは、し
(单词翻译:双击或拖选)
 

三


 甲こうは、これがために思おもいもよらない大金たいきんが手てに入いることになりまして、その翌日あくるひから甲こうは、しばらく海うみの上うえに出でることを休やすみました。こんなときに、骨休ほねやすみをしなければならないといったのです。
 乙おつは、独ひとりで海うみの上うえに出でてゆきました。雨あめが降ふっても、風かぜが吹ふいても出でてゆきました。それを見みると、甲こうは、あまりいい気持きもちがしなかったのです。なんだか自分じぶん独ひとり楽らくをしているのが悪わるいように思おもわれたのです。
「乙おつさん、あまりたくさんな金かねは融通ゆうずうもできないが、すこしくらいならいたしましょう。」と、ある日ひ、甲こうは乙おつにいいました。
 乙おつは、考かんがえていましたが、
「それでは、まことにすまないが、私わたしに、さおを買かうだけの金かねを貸かしてください。いまのさおでは、思おもうように釣つりができないから、もっといいさおが欲ほしいものです。」と答こたえた。
 甲こうは、内心ないしん、いくらいいさおを買かっても釣つれるときは釣つれるが、釣つれないときには、やはり釣つれない。すべて人間にんげんのことは運うんだ、俺おれのようなものだと思おもいながら、
「それはお安やすいことだ。」といって、わずかばかり金かねを貸かしてくれました。乙おつは、その金かねで手てごろのさおを求もとめました。
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