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白い雲(3)

时间: 2022-11-14    进入日语论坛
核心提示:三地理ちりの時間じかんでした。小山こやまは、夜店よみせで買かったといって、丹下左膳たんげさぜんと侍さむらいの小ちいさな人
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三

地理ちりの時間じかんでした。小山こやまは、夜店よみせで買かったといって、丹下左膳たんげさぜんと侍さむらいの小ちいさな人形にんぎょうを二つ三つ、紙かみに載のせて、下したから磁石じしゃくを操あやつって踊おどらせていました。磁石じしゃくの動うごかし具合ぐあいで、人形にんぎょうどうしは、たちまちチャンバラをはじめるのです。小山こやまは、先生せんせいのお話はなしなど、耳みみに入いれようともしないのです。
「やあ、やあ。」と、先生せんせいには聞きこえないように、掛かけ声ごえをかけて、丹下左膳たんげさぜんと侍さむらいに立たちまわりをさせていました。場所ばしょの近ちかいものは、笑わらいを殺ころして見みていました。敏としちゃんは、先生せんせいにわかると思おもったから、気きが気きでなかったので、
「見みつかるよ。」と、小山こやまに、注意ちゅういをしました。
しかし、もうこのときは、遅おそかったのです。先生せんせいは、小山こやまをにらんでいらっしゃいました。ふいに、先生せんせいがお黙だまりになったので、小山こやまが、顔かおを上あげてみると、ほとんど、いっしょに、
「小山こやま、さっきからおまえはなにをしている? わかっているかね、塩原温泉しおばらおんせんはどこにあるか、いってごらん。」と、先生せんせいは、小山こやまをお指さしになりました。
小山こやまは、片手かたてに、磁石じしゃくと紙かみを握にぎって、机つくえの下したへ隠かくすようにして、立たち上あがりました。
「栃木県とちぎけんにあります。」
「じゃ、群馬県ぐんまけんにある、有名ゆうめいな温泉場おんせんばは?」と、先生せんせいは、お問といになりました。
今度こんどは、よく聞きいていなかったので、小山こやまは、ちょっと返事へんじができませんでした。このとき、二、三人にん席せきをへだてて、平常ふだんからおもしろいことをいって、人ひとを笑わらわせる武田たけだが、小ちいさい声こえで、
「どっこいしょ。」といいました。
これをきいたものが、笑わらい出だすと、先生せんせいは、怖おそろしい目めを武田たけだの方ほうへ向むけて、おにらみになりました。とうとう我慢がまんがしきれなくなったというふうで、
「小山こやまと武田たけだは、ここへ出でろ!」と、先生せんせいは、どなられたのです。
教室きょうしつのうちがしんとしました。二人ふたりが、ぐずぐずしていると、先生せんせいは、まず小山こやまの席せきへいらして、
「いま、やっていたものをお見みせ。」と、お座ざから、引ひきずり出だされました。
武田たけだは、先生せんせいの権幕けんまくに抗こうしがたいと知しると、自分じぶんから席せきを出でて、先生せんせいのいられる教壇きょうだんの前まえへきて立たちました。先生せんせいは、
「武田たけだ、おまえは、さっきの唄うたをうたって、小山こやまは、ここでみんなに人形にんぎょうを踊おどらしてごらん。」と、おっしゃいました。
小山こやまは、さすがに耳みみの根ねまで赤あかくして、うつ向むいていましたが、武田たけだはしかられても、頭あたまをかきながら笑わらっていました。
このとき、敏としちゃんは、一人ひとりだけ、窓まどの外そとで、つばめが自由じゆうに、青あおい空そらを飛とびまわっているのを、じっと見守みまもって考かんがえていたのであります。
「このつぎから、教室きょうしつへこんなものを持もって入はいったら許ゆるさないぞ。」と、時間じかんが終おわったときに、先生せんせいは、小山こやまにおっしゃいました。そして、それまでそこに立たたされていた二人ふたりは、はじめて許ゆるされたのでした。

 

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