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ひばりのおじさん

时间: 2022-12-07    进入日语论坛
核心提示:ひばりのおじさん小川未明町まちの中なかで、かごからひばりを出だして、みんなに見みせながら、あめを売うる男おとこがありまし
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ひばりのおじさん

小川未明


町まちの中なかで、かごからひばりを出だして、みんなに見みせながら、あめを売うる男おとこがありました。その男おとこを見みると、あそんでいる子供こどもたちは、
「ひばりのおじさんだ。」と、いって、そばへよってきました。
あき地ちになっている、すこしのひろばへ、かたから、あめの箱はこと、下さげているかごを下おろしました。
「さあ、お坊ぼっちゃんも、おじょうちゃんも、あめを買かってください。ひばりをはなして見みせますよ。」と、男おとこは、こしをおろしながら、子供こどもたちの顔かおをながめました。だいぶあめが売うれると、男おとこは、かごのふたをあけて、
「さあ、とべよ。」と、いわぬばかりに、片手かたてを上あげて、後あとさがりをしました。
ひばりは、やがて、ピイチク、ピイチク、なきながら、高たかく、高たかく、空そらへ上あがりました。そして、このまま、どこへかとんでいってしまいそうに、見みえなくなったが、そのうちおじさんが、ピイ、ピイ、笛ふえを鳴ならすと、けんとうを、あやまらずに、えんとつや、たてものの間あいだを分わけて、すぐ近ちかくへ下おりて、またかごの中なかへ入はいってしまいました。
おじさんは笑わらいながら、「私わたしのいのちより、大事だいじにしていますよ。」と、いつもいうのでした。
ある日ひ、おじさんは、いつもの場所ばしょへきて、年としちゃんや、義よっちゃんや、とめ子こさんのいる前まえで、ひばりをかごからはなしたのでした。
ピイチク、ピイチク、となきながら、いつものように、ひばりは、空そらへ高たかく、高たかく、上あがっていきました。
このとき、人間にんげんの耳みみには入はいらなかったけれど、はるかかなたの空そらで、ピイチク、ピイチクとなき声ごえがしたのであります。
「はてな、どこかしらん。」と、ひばりは、思おもいました。それで、いっそう声こえをはり上あげたけれど、むこうの声こえは、すこしも近ちかよるようすがなかったのです。
「いってみよう。」と、ひばりは、その声こえのする方ほうへ、とんでいきました。青あおい、青あおい、野原のはらの上うえで、二羽わのひばりが、たのしそうに、とんでいるのです。
「やっぱり、野原のはらはいいですね。」と、かごのひばりが、いいました。
「町まちも、にぎやかで、いいでしょうね。」
「私わたしが、よんだとき、なぜこなかったのですか。」
「かわいい子供こどもが、あの黄色きいろくなりかけた麦むぎのはたけにいますので、私わたしたちは、心配しんぱいで、どこへもいくことができないのですよ。」と、野ののひばりが、こたえました。
日ひがくれかかると、野ののひばりは、麦むぎばたけの巣すの中なかへ帰かえりました。そこには、かわいい子こひばりが、お母かあさんや、お父とうさんの帰かえるのを待まっていました。ひとり取とりのこされたかごのひばりは、
「ああ、やはり私わたしは、かごの中なかへかえろう。」と、町まちの方ほうへとんできました。おじさんは、ひばりがいなくなったので、気きを、もんでいました。
そのとき、ピイチク、ピイチク、ひばりの声こえがしました。おじさんは、よろこんで、ピイ、ビイ、笛ふえをふきました。ひばりは、だんだん地上ちじょうへちかづくと、じっと自分じぶんを見上みあげているおじさんの顔かおと、年としちゃんや、義よっちゃん、とめ子こさんたちのかわいらしい顔かおを見みたのであります。
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