会話は、テーマの脱線が面白い。 | 雑談の技術を磨く30の方法
話を、うまい具合に自分の興味ある方向へ脱線させてしまう人がいます。
私の友人で、話を脱線させるのが上手な人がいます。
たいてい話し始めるのは、私からです。
仕事の話や、最近の出来事の話をしたりします。
しかし、それが話していくうちに、いつの間にか、うまい具合に話の中心が脱線します。
雑談をしていると、必ず脱線という事故が発生します。
しかし、これは事故ではありません。
むしろ脱線こそ、雑談らしさです。
列車の脱線で警察が飛んでくることはあっても、話の脱線で警察がくることはないため安心です。
自分と相手の話をぶつけ合っていると、いつの間にか話の方向がどんどんずれていくのが、正常な雑談なのです。
たとえばつい最近も、こんな会話が実際にありました。
私「最近やっている仕事が面白くって、ときどき時間を忘れるよ」。
相手 「私は今、人間関係で苦しんでいるよ。一緒に仕事している人が愚痴をいう人で、聞くのがつらいよ。この前も……」。
仕事の面白い話をしていましたが、いつの間にか愚痴に変わりました。
あっと言う間の出来事です。
私は「愚痴ではなくて、楽しかった話が聞きたかったな」と思うのですが、うまい具合に話の主導権を握られてしまったのです。
しかし、こんな話の脱線が雑談の面白さです。
話がずれてしまうことを悲しく思うのではなく、むしろ話がどんどんずれていくことを楽しむようにしましょう。
雑談とは本来、脱線していくことなのです。